今日日中は良い天気。
夜まで保ってくれそうな天気予報でしたが、日没後はスッカリ曇ってしまいました。
今日は今年最小の満月の日でしたがお月見もできず残念でした。
さて秋の星空探訪シリーズを続けます。
秋の星空探訪(スタパ流) その5
カシオペヤ座付近を楽しむ(双眼鏡編)
カシオペヤ座周辺の天の川はいて座周辺に負けず劣らず双眼鏡で眺めて楽しい宙域です。
双眼鏡で見ていてもあちこちに散開星団があるのを見つけることができますし、いて座付近よりも星が荒い感じがして、面白い星の並びをたくさん見つけることができます。
わりと見つけやすい星列をいくつか紹介します。
まず始めにカシオペア座δ星をベースにしたツリー型星列です。
δ星の南側(カシオペアが南中している頃には上になります)にわりと左右対称に近い形でクリスマスツリーのような形に星が並んでいます。
星座や星列で左右対称に近いものというのは珍しい部類に入りますので、星列として充分に楽しめるものだと思います。
このツリーがさらに豪華なのは、一番下の左右の枝先にそれぞれNGC457(ET星団)とNCG663という散開星団がぶら下がっているところです。
双眼鏡ですとNGC457ほうは明るい星が目立ってあまり星団らしく見えませんが、NGC663のほうは少しざらついた感じの星雲状に見ることができます。
カシオペヤ座「W」の西側(写真では一番左側)のカフ周辺には面白い星列がいくつかあります。
双眼鏡でカフを見ると、カフからスタートして南(北極星の方向と反対)に向けて微光星がヨタリ、ヨタリと連なっているのが見えます。
約2度ほどの長さの星列なので低倍率の双眼鏡だと見逃しそうですが、よく見ると本当に千鳥足の足跡のようにヨタヨタした感じの星列で面白いです。
カシオペヤ座「カフの千鳥足星列」と呼んでいます。
20倍前後の倍率で見たほうが面白いかも知れません。
カシオペヤ座「W」の一番西側に位置するカフ(β星)から伸びる千鳥足星列(ABK049)が見えたら、その少しだけ西側(写真では左側)にある散開星団NGC7789が同一視野に見えるはずです。(千鳥足星列もNGC7789も天の川が見えるくらいの条件でないと見えないかも知れません。)
前にも紹介したNGC7789はメシエ天体に入っていないのが不思議なくらい大きくて明るい天体なのですが、小さな望遠鏡では星雲状に見えるほどもの凄くたくさんの微光星で構成される散開星団です。
双眼鏡でこのNGC7789を見ると丸い星雲状に見えるのですが、目の形にこの星団を星列が取り囲んでいます。
白い瞳をした目がこちらを見ているようで見つけたときはドキリとします。
カシオペヤ座1番星と2番星を含んでちょうど英数字の「7」形に6~7等星の星が並んでいます。(カシオペヤ座全体写真で2の円内)
かなり有名な星列で「Lucky7」と呼ばれて多くの方があちこちで紹介されています。
ただ形がきれいで有名なわりには暗い星が多いので、条件の良い場所でないと見つけづらいかも知れません。
ラッキーセブンのすぐ北側(ケフェウス座の外れあたりになります)にはわりと目に着きやすいほぼ一直線に並んだ星列があります。(カシオペヤ座全体写真で3の円内)
この一直線の中間あたりから丸で螺旋を描くような星列が続きます。
ブタの尻尾星列と呼んでも良いくらいなのですが・・・
見ようによってはワインの栓を抜くための「ソムリエナイフ」のように見えます。