天体望遠鏡入門講座 第三章 3-3

今日はやや雲の多い天候。

夕刻までは晴れて月も見えていたのですが、日没後はスッカリ曇ってしまいました。

少し開きましたが望遠鏡入門講座、接眼レンズについての続きです。

第三章 接眼レンズ

3-1. 接眼レンズの基本性能

3-2. 接眼レンズのスリーブ径と構造

1)スリーブ径

2)構造と仕組み

現在流通している接眼レンズは(トイグレードは別として)2枚以上のレンズで構成されています。

何枚かあるレンズのうち一番眼に近いレンズを「眼レンズ」(またはアイレンズ)、対物側のレンズを「視野レンズ」といいます。

視野点ずのさらに対物レンズ側にある絞りを「視野絞り」と呼びますが、この視野絞りが見かけ視界を決めることになります。

なぜ接眼レンズが複数のレンズを組合わせているかというと、単レンズのの欠点を補うためです。

具体的に単レンズには次のような欠点があります。

・見かけ視界が30°ほどとかなり狭い
・高倍率のため焦点距離を短くするとアイレリーフが極端に小さくなるし、
レンズ径も小さくなりとても覗きにくくなる
・中心像は良いが周辺がボケる
・色収差が出る

複数のレンズを組合わせればレンズを小さくしなくても焦点距離を小さくできます。

上はパソコンののデスクトップ画面を撮影したものですが、左から虫眼鏡無し、虫眼鏡1枚、虫眼鏡2枚の時のものです。

つまりこのようにレンズを重ね合わせることによりレンズ径を小さくすることなく、焦点距離を小さくできるというわけです。

またレンズの間隔を調整することにより合成焦点距離のわりにアイレリーフを長くすることもできます。

上に列記した単レンズによる接眼レンズの欠点を補うために様々なレンズの組み合わせが作られるようになりました。

1970年代くらいまでは3~4枚程度のレンズの組み合わせが多かったのですが、近年はレンズ表面の反射を軽減するコーティングの技術が飛躍的に進歩したためさらに多くの枚数で構成された接眼レンズが流通するようになりました。

これにより短焦点でもアイレリーフの長い物や、超広角な見かけ視界の製品が開発されるようになったのです。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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