昨日今日とだいぶ冷え込みが厳しくなっています。
今朝は車や屋根に霜がビッシリ・・・
う~・・、さぶっ!・・
さて超入門シリーズ、今日も「接眼レンズについて」の続き・・・、
今日は「初心者向け接眼レンズは?」です。
これまでしつこく接眼レンズの仕様や性能について書いてきたのですが、
具体的にどんなものを買ったらよいかという話は出てきませんでした。
まあ、望遠鏡選びと同じように接眼レンズ選びもそれぞれの好みがあるので、
一概に「これ」とはいいにくい面があります。
それでもあえてというのであれば、個人的にはオルソをお奨めします。
オルソ(Or:正式にはオルソスコピック:整った像という意味)は昔からある
古典的接眼レンズの中で、高級な部類に入るものでした。
現在ではより高機能で高価なレンズに押されて少し影が薄いですが、性能的には
決して捨てたものではないと思います。
オルソにはアッベ式と
プローセル(PL:プル-セル、プローゼルとも言います)式があります。
(上記2つの図は模式的に断面形状を示しています。メーカーにより微妙に
面の形状など設計が異なる場合があります。)
以前はどちらもオルソと言っていたのですが、最近はプロ-セルが独立して
呼ばれるようになっていますので、オルソと言えば暗黙的にアッベ式になって
いるようです。
現状で市場には圧倒的にプロ-セルが多く流通しています。
アッベ式は3枚のレンズを貼り合わすのに熟練が必要で作れる職人さんが少ない
のがその理由のようです。
安価なプロ-セルの多くが中国製で(中国製だから悪いというわけではない
のですが)、コスト重視の製品が多いため、少し惜しい見え味のものが散見
されます。
わりと安心して使えるのが国産のアッベ式オルソ。(これでも製品にばらつきが
ないとはいいませんが・・・)
なぜ私がオルソを初心者向けとしてお奨めするのかですが・・
長所として
・視野周辺まで像が締まっている。
・視界がクリアでヌケがよい
・プラックアウトしづらくアイポイントがつかみやすい
・安価
短所として
・見かけ視界が狭い(40~50°)
・アイレリーフが小さい(焦点距離の80%程度)
・対物は口径比F6~7くらいが限度
望遠鏡を覗くのにどうしても眼鏡をかけなければならない方は致命的ですが、
それ以外の短所はそれほど致命的ではないと思います。
安価な広角型接眼レンズでは視野中央と視野端の中間ぐらいから像が悪化して
暗い星が見えなくなり始めます。
同じ焦点距離のオルソのほうが実視界が狭いのに、よほどたくさん星が見えて
しまうことがあり、同価格の広角型と比べ視野の狭さがマイナスになる要因が
意外に少ないです。
高価な広角・ハイアイのレンズと比べて、像の鋭さやヌケの良さは決して引けを
とりませんし、アイポイントのつかみやすさは優れています。
高価な接眼レンズを1本買う予算で、何本ものオルソをシリーズで購入できます。
将来的に様々なレンズを購入するときの基準にもなりますので、低倍率から
高倍率まで3本くらい用意するとあとでいろいろ役に立ちます。
入門用望遠鏡に付属されてきた接眼レンズに飽き足らなくなったとき、まずは
オルソを基本に検討するのが良いと思います。
購入先ですが、スタークラウド、笠井トレーディングあたりがお奨めです。
また、接眼部の仕様が24.5mmならスコープタウンのパーツショップがお奨めです。