梅雨の中休みも終わり(?)、天文台ドームの製作も
一時休戦です。

さて、今日は七夕。
梅雨空に人目を気にせず、織姫と牽牛が1年ぶりの
デートを楽しんでいることでしょう・・・
というのは一般的な解釈。
本来、太陰暦の7月7日に行われるべき星祭を、無理やり
太陽暦の7月7日にするから、そんな訳知り顔の言い訳がましい
話が一般化してしまうわけです・・・
しかもこの時期は一年で一番日の入りが遅い時期で、関東周辺で
薄明が終わって、暗い星まで見えるようになるのは21時過ぎ
になってしまいます。
毎年「7月7日の七夕はナンセンスです。」ということを
書いているような気がするのですが、一部でそれ以上に
天文学的に見て、どうしようもなくナンセンスな
「サマータイム制」という法律を真面目に検討している
人たちがいるようです。
この「サマータイム制」、春分から秋分までの日の長い期間に
時計を1時間進めて生活しましょうという制度です。
もともとバブルの頃に、産業の振興を目的にアフターファイブを
有意義に過ごしましょうという趣旨で導入が検討されたものです。
ところがここへ来て、いつの間にか「省エネ」になるからとか、
欧米諸国もやっていることだしとか、やたら導入を急ぐ動きが
活発になっているようなのです。
いったいどうしたら産業の振興(=CO2増大)が、省エネに
結びつくのでしょうか?
まあ、この手の試算というのは、もの凄くたくさんのファクターが
あって、計算する人の思惑に応じてどうにでも結論付けることが
できる場合がほとんどで、怪しいことこのうえないものが多いです。
事実、アメリカでは省エネにならないから「サマータイム制」を
やめようという試算をしている機関もあるようです。
サラリーマンのかたのほとんどは、内心「やめてくれ!」と思って
いるのではないかと思います。
出社するのが1時間早くなれば、勤務時間が1時間長くなるだけと
思うはずです。
そう思わないのは、きっかり9時-5時で終わる、お役人や
工場勤務者くらいではないかと思います。
半年に一度、日本中の時計を調整しなおす労力、それを国民全体に
周知する労力とエネルギーなども考えると、個人的な感覚では
絶対省エネにならないと思います。
もともと欧米のようにわりと緯度の高いところで有利になる
「サマータイム制」を、東西南北に細長い日本で取り入れること
自体実はすごく無理があります。
特に西日本では日周サイクルと時間感覚がかなりずれた
ものになります。
例えば「サマータイム制」の福岡では8月に日の出が
6時45分前後、日没が20時前後です。
夏休みのラジオ体操を日の出前にしなければならないとか、
盆踊りは日の高いうちに始めなければならず、
日射病者続出とかいう話になりそうです。
花火のイベントとか星空観察のように、薄明が終わるのを
待たなければいけない行事には、子供が参加できなくなります。
七夕に天の川を見ましょうなんていうのは、関東地区でも
21時半過ぎ(福岡では22時過ぎ)になるので、子供を交えた
企画は絶望的です。
そんなこともあって、日本公開天文台協会(JAPOS)では
「サマータイム制」に対する反対声明を総会で決議して
発表しています。
これに先立ち、日本睡眠学界も生活のリズムを無理やり
崩すことによる健康への弊害が明らかなことから、反対声明を
発表しています。
「サマータイム制」推進派は、「人類の未来のために省エネを!」
という錦の御旗を掲げて、省エネの意識付けのために
ライフスタイルまで見直しをしなければいけないという
論法を展開しています。
健康に害があっても、日本古来の風習や風物をぶち壊しに
してまでも、本当に効果があるかどうかがわからない
「サマータイム制」を導入する意味があるのか・・・
学生時代からノンポリをポリシーとしている私ですが、
この制度だけはどうしても我慢ができず書いてしまいました。
何より、次世代をになう子供たちから夏の夜の様々な
楽しみを奪ったり、生活リズムの変調による心身への弊害を
来たすことが恐ろしいです。
さて、「サマータイム制」が導入された場合、スタパには
今以上にたくさんのお客様がおみえになることと思います。
帰りの時間を気にしなければいけない、通常の公開天文台は
敬遠され、宿泊して星が見られる施設に人気が集まる
はずだからです。
でもそれは「少しでもたくさんのかたに星を見る楽しみを
知って頂きたい」というスタパの開業理念から大きく逸脱した
不本意な結果といえ、少しも嬉しくないことですので
何とかして欲しいものです。
先日、私のHPにも「サマータイムには反対」というものを書きました。
http://homepage2.nifty.com/s-uchiyama/eco/ecomment/0806summer-time.html
スタパオーナーさんの書いていることが、あまりにも同じすぎて、驚くほどです。
やはり、天文関係者は同じように考えるようですね。
サマータイムはぜひやめてほしいものですね。
うちやま さま
コメントありがとうございます。
& いつもご利用ありがとうございます。
本当に同じような内容で驚きました。
天文ファンは日の出、日の入りの時刻を身体で覚えているので、サマータイムのナンセンスが理解しやすのかも知れませんね。