双眼鏡で星空観察入門 (35)

今日の昼間もときおり青空が見える天候でした。

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ここのところ天気予報がわりと良い方向に外れていて、ここ数日観察会の時刻には曇っているのに、夜半過ぎには晴れることが続いています。

でもそう思って期待していると曇ってしまうのですね、これが・・・・(泣)

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-12.とかげ座周辺

とかげ座の星群・星列を紹介します。

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とかげ座自身とても見付けづらい星座ですので、実際の夜空ではもちろん写真を見てもピンと来ないかも知れません。

だいたいペガススの足の先とケフェウスの間にあるジグザグの星の並びがとかげ座です。
暗い星ばかりなので都会では見付けること自体が難しいかも知れないですし、とかげ座の星の並びをたどれる方も少ないのではないかと思います。

でもとかげ座のケフェウス座より半分は天の川の中にありますので、明るい星は少ないですが、暗い星はゴチャマンとあって、双眼鏡で見るととてもきれいな領域でもあります。

ABK041 とかげ座 π型星列 分類:星列

上の写真のとかげ座の○で囲んだあたりを双眼鏡で見ると・・・

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とても特徴的な星列がいくつか組み合わさった場所があります。

私ははじめてこのあたりを見た時・・・

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サッカーでゴールを決めた選手がひざまずいてガッツポーズをしているように
見えてしまいました・・・(^^;)

まあちょっと無理がありますので・・

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ギリシャ文字の「π」につなげて見たてることにしたいと思います。

とかげ座「π」星列と名づけたいと思います。

ABK042 とかげ-アンドロメダ座境界 カート星列 分類:星列

とかげの頭のあたりからケフェウス座方向に視線を振ると、その中間あたりに柄の曲がった柄杓(ひしゃく)のような星列が目につきます。

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肉眼でも見える意外に良く見える星の塊なのですが、ちょうどとかげ座とアンドロメダ座の境界に位置して、どちらの星座絵からもはみ出た存在になっています。

見ようによってはアンドロメダ姫が生け贄にされるために縛り付けられた鎖の一部にも見えます。

でもあまりリアルに深読みしないで、ホームセンターなどで買い物をするときに使う大型のカートのような形なので「とかげ-アンドロメダ座境界 カート星列」と呼びます。

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星空解説の道具

今日も良い天気(昼間は・・・)

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夕方には雲が多くなって、金星と月のランデブーをギリギリ捉えることが出来ました。

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なかなか印象的な眺めでした。

さて「双眼鏡シリーズ」ですが、夏が終わるまでに何とか夏向けの対象の紹介を終わらせたいと思いずーっと連続で続けてきたのですが、何とか秋の対象に移ることが出来たので、この先は少しペースダウンしながら紹介して行きたいと思います。

そんなわけで今日は少し違う話題です。

以前にも紹介しているのですがスタパでは星空解説の時に「この星」と指し示すときにLED光源のサーチライト(懐中電灯の大きめのもの)を使用しています。

星空案内をするときには緑色の光が出る高出力のレーザーポインターを使用した方が分かりやすくて、格好が良いです。

スタパでもでも開業当初(12~3年前)にはレーザーポインターを使用して星空解説をしていました。

しかしその後にそのレーザーを使っていろいろいたずらをする人達がでてきたこともあり、国内では販売禁止となってしまいました。

自己責任で海外から輸入し使っても罰せられることはないのですが、

・ネット上でかなり激しい賛否の論争が起こったこと
(この論争を端で見ていて、反対派の人に突っ込まれたとき言い訳できる自信が
なくなった)
・特性上、冬期(低温時)に明るさが出なくなってしまう
・素人受けは良いですが必ずといって良いくらいお子さんから「貸して!」コールが起こり貸さないでいると険悪なムードになったりする
・信頼できると思った星空解説のプロに貸したら、ちょっと目を離している隙に子供の手に渡りライトサーベルごっこが始まっていた

などの理由から当館ではレーザーの使用を止めました。

代わりにしばらくは懐中電灯のサーチライトタイプと呼ばれる指向性の強いものを使用していましたが、最近ではそれよりも集光度が強く明るいLEDライトのサーチライトタイプを使用していました。
(こちらで紹介しています)

レーザーほどピンポイントで指し示すことが出来ませんし、視認性も劣りますし、暗闇で眼に入った場合本当に安全かどうかは分からないのですが、とりあえずは星座解説に使えています。(満月前後の月の近くは見えないです。)

ごく最近になって同じLEDでもレンズ(プロジェクター?)式の物のほうが原理的により性能が良いのではないかと、何種類か買い漁っています。

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同じレンズ式でもレンズの焦点距離により集光度が異なり、中にはあまりピンポイントで指し示すことが出来ないものもあります。

現状(7~8機種)の中で一番指向性が高く見えやすいのがAMAZONのこちらで購入したもの(CVLIFE CREE XPE LED ハンディライト)です。

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ランタン機能がよけいですが、とても小さな焦点像を投影してくれますが、従来のLEDサーチライトよりやや視認性が弱いです。

さらにこれを改造してもっと指向性・視認性の高いものを作れないだろうかと検討をしました。

原理的には集光レンズが長焦点で、口径比が小さく、光源が小さいほど明るくて細いビームを作り出すことが出来ます。

いろいろ予備実験をした結果、自動車のヘッドライトでプロジェクター式で使われているレンズが使えそうなのでネットオークションで中古を入手しました。

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手元にあったボーグのリングを二つ組合わせ、ホットボンドでレンズを固定し、純正の集光レンズを外したLEDライトをスリーブに取り付けられるようにしました。

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組み上げた状態がこちら(純正とのレンズの大きさの違いがわかると思います)

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このままですと暗闇ではレンズが光ってまぶしいのでフード代わりにこれまた手持ち遊休部品のボーグの延長鏡筒を取り付けて見ました。

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今回はお手軽優先で手元にあったボーグの部品を使いましたので、ゼロから全て購入したらかなりのお値段になってしまいますが、工作用紙を重ね張りして筒を作れば安上がりに作ることは可能だと思います。

肝心の光の強さですが、従来よりも明るくて、細くて、迷光が少なくて見えやすいビーム光を得ることが出来ました。

この先これ以上のものが見つかるまでは、これを使うことになりそうです。

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双眼鏡で星空観察入門 (34)

今日も青空が広がる爽やかな一日

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でもなぜか夜は曇る・・・・

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-11.みずがめ座周辺

やぎ座に続き星占いの星座みずがめ座周辺の見どころを紹介します。

ABK037 みずがめ座 水瓶の三ツ矢 分類:星列

みずがめ座はかなり慣れていないと星をつなぐのが難しいです。

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まずはペガススの頭のややフォーマルハウトよりの三ツ矢マークを探します。

3.7~4.8等星の暗い星達なので空のきれいなところでないと見えないのですが、これが見つけられない条件だとみずがめ座の星をつなぐことはできません。

逆に空のきれいなところでは、この三ツ矢は意外に目立ちます。

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双眼鏡なら都会でも簡単に見つけることができると思います。

この三ツ矢こそがみずがめ座のモチーフとなっている、美少年ガニメデが担いでいる水瓶です。

ここから流れ出た水(神話上は神々の飲み物ネクタル)が南の魚まで続く形になります。

みずがめ座を見つけるときにぜひ覚えたおきたい星列です。

ABK038 みずがめ座 水瓶スプラッシュ星群 分類:星群

星座絵では三ツ矢の東側からはフォーマルハウトに向かって2本の星の並びをつなぎ水の流れを作ります。

素晴らしく透明度の良い星空の夜にみずがめ座を見ると、上の写真で点線の丸で囲んだあたりに細かい星(5~ 6等星)をたくさん見つけることができます。

実はこのあたり、まるで勢いの良い水の流れから水がはじけ飛んでスプラッシュな状態になっているのです。

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どうしてここに威勢良く水を流す姿を置いたのか、古人の気持ちが分る気がするような、はじけ飛ぶ星々です。

それに気づくと、実はみずがめ座は名作といえる星座なのだと思えて来ます。

折れた矢のような星列もあり、星列の一つに登録したいところですが、水がはじけ飛ぶような星々をみずがめ座本来の姿を楽しむ材料として「水瓶スプラッシュ星群」と呼びたいと思います。

ABK039 みずがめ座 サダルスード(β星)の三ツ矢星列 分類:星列

上記の三ツ矢から西(右)にα星(サダルメリク:幸福の王)、β星(サダルスード:幸福の中の幸福)というおめでたい名前の星をつなぎ ガニメデ少年の骨格(両肩)を作ります。

このサダルスード周辺を双眼鏡で見ると・・・

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サダルスード側に少し伸びた三ツ矢が見つかります。

少しいびつではあるのですが、サダルスードが明るいのでそれほど違和感のない星列に感じられます。

みずがめ座にもう一つ三ツ矢があると思うと楽しい感じがします。

「サダルスードの三ツ矢星列」と呼びます。

ABK040 みずがめ座 サダルスード北東 仙人の杖とスフィンクス星列 分類:星列

サダルスードの北東、こうま座との境目あたりを双眼鏡で見るとあまり目立つ明るい星はないのですが、微光星がバラバラとばら撒かれたように見えます。

その中でも特に目に着くのがこの星列。

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ゴツゴツ・グニャグニャと連なって仙人の杖のように見える星列と、妙に幾何学的にカチリとまとまって、スフィンクスの頭を連想させる対照的な二つの星列が眼に入ります。

6~7等星の暗い星たちなので、通常ですと見過ごしそうな星列ですが、対照的な星列が同時に楽しめるということで登録することにしました。

「サダルスード北東 仙人の杖とスフィンクス星列」と呼びます。

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双眼鏡で星空観察入門 (33)

今日も良い天気が続きます。

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でも夜は小雨混じりの天候に・・・ (誰のせいだ~・・・)

昨日一昨日と2日続きの好天でした。

そして「双眼鏡シリーズ」のコンテンツ集めがだいぶ捗りました。

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-10.やぎ座周辺の星巡り

やぎ座は秋の星座に分類されますが、夏の星座であるいて座のすぐとなりにありますので夏休みが終わってすぐの初秋の頃が見頃になります。

やぎ座から、みずがめ座、うお座、みなみのうお座、くじら座など水がらみ星座が並ぶ秋の南天ですが、明るい星が少ないので、都会ではポッカリ穴があいているような感じのするさみしい空です。

でもこのあたり、双眼鏡を使って見ると意外にたくさん見所があります。

本節ではやぎ座の見所を紹介します。

ABK033 やぎ座 α星周辺重星群 分類:重星

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やぎ座α星(アルゲディ、ヤギの意)は目の良い人なら肉眼でも見える二重星です。

もちろん双眼鏡で見れば明らかに左右に分かれて見えます。

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右がα1(プリマ・ゲディ、第1のヤギの意)、左がα2(セグンダ・ゲディ、第2のヤギの意)と呼びます。

面白いのはこのα1,2の左右にほぼ一列に暗い星が並んでいるところです。

明るさも間隔も違う星が4個並んでいる姿は少し楽しめます。

またα1は望遠鏡で見るとさらに二重星で、α2は大口径でないと分離しない3重星です。

アルゲディのすぐ下にあるβ星(ダビー、ひたいの意)は双眼鏡でも分かる黄色い3等星と水色の6等星の二重星です。

望遠鏡で見るアルビレオのような感じでとてもきれいな二重星です。

ABK034 やぎ座 δ(でるた)星ヤギのしっぽ星列 分類:星列

やぎ座の星座絵は上半身がヤギ、下半身は魚という神話の面白いエピソードが素になっています。

星座を結ぶ線からはそんなことは見えてこないのですが、双眼鏡では実際に魚の尾びれのように星が三角形に並んでいることが分かります。

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やぎ座のしっぽが「魚の尾びれ」になっていることが分かって何だか楽しい気分になります。

ABK035  やぎ座 ω(おめが)星ヤギのω星列 分類:星列

やぎ座は逆三角形の形をしていて、「パンツみたい」と言う人もいます。

この逆三角の一番下の頂点の部分にあるω星のあたりを見ると・・・

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なにやらフワフワと二つの房のような星列を見ることが出来ます。

ヤギさんが雄だったか雌だったかでどういう名前にするか悩ましいところですが(笑い)、ここでは無難にωの形にも見えますので、ヤギのω星列と呼ぶことにします。

追記(9/2)

はじめはω星のところにωの形があるなんて、なんて偶然だろうと思ったのですが、冷静に考えるととても不自然なことに気づきました。

ヤギ座にはω星よりももっと暗い星があるのになぜ、ギリシア文字の最後のωが割り当てられたのかとても不思議です。

やぎ座の中で一番下の星としてその符号が付いたのか、それともここで紹介したωの星列に気付いて付けたのか・・・・

いずれにしても、とても茶目っ気のある符号付けだと思いませんか?

ABK036  やぎ座 ζ(ぜーた)星ヤギの隠れた足星列 分類:星列

さてやぎ座がなぜ上半身がヤギで、下半身が魚なのかと言うと・・・。

牧神であるパーンさんが牧場で普段のスタイルであるヤギでいるところを魔物に襲われ、大慌てで逃げているときに川に差し掛かったので、泳いで逃げようと魚に変身しようとしたのですが、慌てていて下半身しか魚に変身できなかったそうです。

この慌てふためく姿が面白くて星座にされてしまったということなのですが、逆三角の並びの左下の辺にあるζ星あたりを双眼鏡で見ると・・・・

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ヤギの後肢のような星の並びが見つかります。

実は下半身が魚にはなったものの、後肢をうまくしまうことが出来ないままだたのか・・・・と分かると、いっそうヤギさんの慌て具合が分かる気がして可笑しくなります。

「ヤギの隠れた足星列」と呼びます。

 

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双眼鏡で星空観察入門 (32)

今日も素晴らしいお天気。

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今夜も満天の星空で「双眼鏡シリーズ」の秋向けコンテンツの素材集めで遅くまで星野写真の撮影をしました。

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-9.夏と秋の挾間の小星座

前節までで夏の星座のお奨め天体の紹介がほぼ終わりました。

実は夏の夜空は星の数が他の季節よりも圧倒的の多いので、細かく探せばまだまだいくらでも面白い星列があるのですが、ここでは一旦止めておきます。

本節では夏の星座と秋の星座の間にあって、双眼鏡で見るとスッポリ視野に収まってしまう二つの星座を紹介します。

ABK031 こうま座  分類:星座

こうま座はペガスス座のすぐ隣にあるとても小さくて存在感の薄い星座です。

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ペガスス座の鼻先に当たるεのすぐ西側(南中時には右側)にあるのですが、目立たないのも当然、星座を形作る一番明るい星でも4等星、他は5等星でしかも面積は全天で一番小さな南十字座に次いで2番目の小ささです。

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星座絵を見るとペガススに隠れるように顔だけしかありません。

ペガススに子供がいたという話もありませんし、ハッキリした神話のエピソードがあるわけでもないのでどさくさにまぎれているという感じが強いです。

それでも現在の星座の基礎となったプトレマイオスの48星座(2世紀に作られた)の中には含まれていますので、歴史だけは古いです。

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暗い星ばかりなので都会では見つけるのでさえ難しいですが、双眼鏡を使えばわりと簡単に見つけられると思います。

双眼鏡では視野一杯に逆さまの馬面が見えていると思うと少し楽しくなります。

ABK032 みなみのかんむり座  分類:星座

みなみのかんむり座は南に低くて、4~5等星の暗い星ばかりの星座なので、よほど空のきれいな場所でないと見つけることのできない星座です。(このため、このブログでも初登場です。)

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いて座の南斗六星の下にある楕円弧の星の並び(いて座と地平線に囲まれるように見える)を見つけることができたら、それが「みなみのかんむり座」です。

目立たない星座ですが、この星座も歴史が古くトレマイオスの48星座の一つです。

いて座がらみ(いて座はケンタウルス族のケイロ-ンという有名人です)でケンタウルス族の冠ということになっています。

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肉眼ではスタパでも見つけるのは難しいですが、双眼鏡ではわりとあっさり視野にスッポリ納めることができます。

本家の「かんむり座」の方は少し大きくて視野に収められない双眼鏡が多いので少し嬉しいサイズといえます。

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久々の天の川

今日は台風一過で午後から晴れ!!

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夜は久々に天の川が楽しめる満天の星となりました。

しかも新月期で、台風のためキャンセルされたゲストが多く、リピーターさんが2名のみでしたので、私も久々に星空を心ゆくまで楽しみました。

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連載中の「双眼鏡」シリーズで双眼鏡向けのお奨め天体を紹介中ですが、昨日の記事で夏の部が終わりで、次回からは秋の部になるところです。

ここでハタと気づいたのは、夏以外の季節のお奨め天体の数がかなり少ないのです。

旧シリーズではあまりその辺のバランスを考えずに走りながら(=お奨め天体を見つけながら)連載したこともありますし、夏は星の数が他の季節に較べ圧倒的に多くて、天の川沿いにたくさんの見所があるという事情もあります。

そんな事もあって、今日は星空の写真を撮る傍ら、これも本当に久々に双眼鏡で星空を楽しみました。

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今日はいわゆる望遠レンズ(200mmクラス)で天の川の写真や

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アンドロメダ銀河(M31)の写真も撮りました。

双眼鏡では秋の星空のお奨め天体を探しました。

何とか夏とのバランスがとれるくらいの数が揃えられそうです。

星列探しはとても楽しくて、あっという間に時間が過ぎて行くのですが、結構集中力も必要で、あまり長時間さがしていても集中力が切れてしまいます。

じっくり探せばもっと楽しい星列を見つけることが出来そうなのですが・・・

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双眼鏡で星空観察入門 (31)

今日は少しだけ青空が覗くちょっと悩ましい天候。

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さて「双眼鏡シリーズ」です。

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-8. ベガとアルタイル

ベガとアルタイルについては、今さら説明不要と思えるほどメジャーです。

夏の大三角のうちの明るい2星ですし、織女・牽牛の七夕伝説の星でもあります。

でもアルタイルという名前の意味は「飛ぶワシ」という意味があります。

わし座だから「飛ぶワシ」は別に当然だと思うかも知れないのですが、もう一方のベガには「落ちるワシ」という意味があるのです。

こと座の星なのに「落ちるワシってどういうこと・・・?」と感じる人が多いと思うのですが、アステリズムの観点から見ると、とても納得が行くのです。

本節ではアステリズムとしてのベガとアルタイルを紹介しておきます。

まずは本家わし座のアルタイルから、

ABK029 わし座 アルタイル(飛ぶワシ)星列 分類:星列

星座絵の星の並びを線で結ぶと

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この写真では右上に尻尾にあたる星、デネブがありますので、右下がくちばしということになります。

デネブというとはくちょう座のα星が有名ですが、デネブは単に尻尾という意味ですのでじつは結構あちこちにあります。

でも実際の夜空でわし座の星達をこんな風に結ぶのはかなり難しいです。

それもそのはず、元々のわし座はこんなに大きくなかったようなのです。

原始的な星座というのは意外に小さなものが多く、前節で紹介したや座やいるか座(上の写真にも写っていますが)などはその良い例です。

日本でもアルタイルの部分のこの三つの星の並びを犬飼星と呼ぶ地方があったり、牽牛には牛を引き連れる者という意味があって、左右の小さな星を牛に見立てていたのです。

星座発祥の当初は意外に小さな星の並びの目印が主体だったのかも知れません。

さてアルタイルが南中を過ぎるとβ、γがほぼ横並びになって、ワシが飛んでいるようなイメージになります。

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そうこの三つの星の並びを飛ぶワシというイメージで「飛ぶワシ」としていたのです。

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ABK030 こと座 ベガ(落ちるワシ)星列 分類:星列

飛ぶワシのアルタイルに対して、こと座のベガは落ちるワシという意味があって、昔からアルタイルとセットで扱われていたのです。

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こと座が西に傾き始めたときはこんなふうに琴が横倒しになったような配置になります。

ここでベガとε、ζだけに着目するとわりと目につきやすいV字形というか三角ができます。

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ベガは織姫星としてもとても有名な1等星ですし、εもダブルダブルスター(二重連星)として有名な星で、ζも低倍率で楽しめる二重星であることから個人的には「夏の小三角」と呼んでいます。

でも西洋の昔の人にはこのV字形が獲物に向かって急降下しているワシに見えたので「べガ」(落ちるワシ)と名付けたのです。

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夏の大三角が天頂を明け渡す9月中旬頃になると、面白いことにベガとアルタイルはほぼ同じ高度で横並びになり、(同じ時刻なら)その横並びのまま11月初旬まで地平線に近づいて行きます。

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仲良く並んで地平線に近づいて付く姿に気づけば、この二つの星をペアとして扱いたくなるのは人情と言うものでしょう。

そんな訳で西洋では二つの形態のワシの姿として、東洋では牽牛・織女という夫婦の星としてエピソードが生まれたのだと思います。

ベガ(落ちるワシ)もアルタイル(飛ぶワシ)も双眼鏡で眺める星列としてちょうど良い、そして都会で眺める双眼鏡向けの星列としてとても面白い対象だと思います。

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双眼鏡で星空観察入門 (30)

今日もスッキリしない天候の一日でした。

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さて「双眼鏡シリーズ」です。

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-7. 天の川の小星座 や座といるか座を楽しむ

わし座からはくちょう座周辺を低倍率の双眼鏡で流して見るているとや座といるか座がドン、ドン!とわりとハッキリした星列として視野に入ってきます。

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都会では肉眼で見つけることは難しいかも知れないですが、双眼鏡ならば何とか見つけることが出来ると思います。

星座になるくらいですから星列(アステリズム)としてとてもよく目立ちます。

ABK027 や座とM27 分類:星座、メシエ天体

や座はわし座のアルタイルとはくちょう座のアルビレオの中間あたりにあります。

前節のコートハンガーの並びと言って良いくらいのところです

双眼鏡だと視野一杯になることも多いかも知れません。

だれがどう見ても矢の形に見えます。(少し曲がっていますが・・)

神話では愛の女神エロスが持っている矢で、これに当たるとだれでも恋に落ちてしまうというアレです。

とても好色な大神ゼウスの化身であるはくちょう座とわし座の間にあるというのも意味深な設定だと思います。

暗い星ばかりながら、星座名に似合った形のきれいさといい、場所といい名作星座といってよい星座だと思います。

や座の近くには最も人気の高い惑星状星雲のひとつとして有名なM27(アレイ状)星雲があります。

双眼鏡で見てもあまり面白くないのですが、望遠鏡で見るときのために場所を覚えておいて損のない天体だと思います。(少なくともM57(リング状星雲)より遙かに見ごたえがありますので・・・。)

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コートハンガー同様こぎつね座に位置しているので、こぎつね座の星やアルビレオ側から探す方法やが紹介されていますが、私はや座から探す方法が分かりやすいと思うので紹介しておきます。

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や座のγとδを結ぶ直線をγを中心に反時計回りに約120°回転させたところにM27があります。(写真ではわかりにくいですが拡大して頂くと星ではないものがぼんやり写っているのを確認できると思います。)

この線の延長上のすぐ近くに6等星の星があるので、とても見つけやすいのではないかと思います。

ABK028 いるか座 パラボラ星列 分類:星座、星列

いるか座もや座の近くにある小星座です。

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いるか座は海の遠くの方でピョンと飛び上がったイルカをイメージできる形をしています。

この星座、紀元前1200年頃にはすでに認知されていて、古くから多くの人に「ピョンと飛び上がったイルカ」として支持されてきたのだと思います。

神話でイルカが登場するものがあると、みなこのいるか座が割り当てられるという、都合のよい使われ方をしています。

小さな星座ですが形のきれいさ、由緒正しさなどから名作の部類に入る星座だと思います。

余談ですがこのいるか座の口に当たる先端の星(γ星)はきれいでかわいらしいという表現がぴったり来る二重星です。

機会があればぜひ望遠鏡を向けたみたい星のひとつです。

さてこのいるか座、暗い星ばかりなのですが、空のきれいなところでは菱形の星の並びがすぐに目について、いるか座を見つけることができます。

日本でも目に付く人が多かったのでしょう・・「菱星」(ひしぼし)と呼ぶ地方が多かったそうです。

110703Del_hisibosi_1023

双眼鏡で見るとこの菱形がすっぽり見えますが、肉眼ではあまりハッキリ
見えなかった星たちもたくさん見えて、かえって菱形が分かりにくくなって
しまいます。

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私には大型のパラボラ望遠鏡のように見えてしまうのです。

既成の星座の配列にとらわれず、現代ならではの自由な発想でそんな見立てがあっても良いと思うのです。

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双眼鏡で星空観察入門 (29)

今日は迷走する大型台風10号の影響か終日雨でした。。

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さて「双眼鏡シリーズ」です。

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-6. わし座からはくちょう座への天の川クルーズ

いて座、たて座あたりの天の川を楽しんだら、双眼鏡をさらに上に振り、わし座、はくちょう座へと視界を移して行きます。

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いて座からわし座のアルタイル付近まではとにかく星が細かく、その数に圧倒されてしまいあまり「星列」を探そうという気がおきなくなる感じがします。
(その分星雲星団はたくさんあるのですが・・・)

双眼鏡での眺めはそれはそれで圧巻なのですが、大河の下流域が水量(星の数)は多いけれど、だだっ広くて風景の変化が乏しいのに似ている感じです。

ただ、ただ圧倒的な星の数を楽しめば良いと思います。

そしてわし座からはくちょう座あたりまで天の川を遡ると、ほんの少し風景が変わってきます。

ABK023 こぎつね座 コートハンガー星団(Cr399) 分類:散開星団、星列

わし座のアルタイルからはくちょう座のくちばしの星(アルビレオ)に向けて双眼鏡を振ると、ややアルビレオよりにとても特徴的な星列が視野に入ってきます。

110604yaza

星の数が散開星団にしてはとても少ないですが星の配列がとても面白いです。

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6個の星がほぼ一直線に並び、その先に水滴がぶら下がるように星が並んでいます。

これを逆さまにしてみると、コートハンガーにも見えることから、そのままコートハンガー星団と呼ばれています。

6~7等星で形作られていますので、条件が良ければ都会でも見つけることができるかも知れません。

私が双眼鏡向けの星群・星列をたくさん紹介したいと思うようになったのも、この星列を見つけてとても面白いと思ったからです。

ぜひ見つけて下さい。

ABK024 はくちょう座 ガンマ星(サドル)周辺星群 分類:星群

わし座からはくちょう座方向に天の川を遡ると少しずつ星の粒が大きくなってくる感じがします。

140706Cyg_130603_6084

大河を遡ると少しずつ河岸に大きな石が転がっているかのようです。

はくちょう座のガンマ星は北十字の中心に位置する星ですが、この星の周りには小さなビーズをつなげたような星の並びがあります。

110717ganmaCyg_2350

暗めの星が多くて何かの形にこじつけるのが少し難しいですが、サドルから出発してぐるりとサドルを取り巻くように星が並んでいて面白いです。。

「はくちょう座サドル周辺星群」と呼びます。

ABK025 はくちょう座 デネブ周辺星群 分類:星群

デネブの少しケフェウス座より(天文ファンの方には北アメリカ星雲のあるあたりと説明したほうが分かり やすいかも知れませんが)この辺にもバラバラとばら撒いたような星群があります。
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普通の双眼鏡では有名な北アメリカ星雲を見ることは難しいですが、淡い銀河を背景にわりと明るめの星がバラバラとばらまかれていてきれいです。

ABK026 はくちょう座 30-31番星 分類:二重星

天の川クルーズをするときのポイントの復習になりますが・・・・

双眼鏡で天の川の中を見るときも、それ以外の場所を見るときも基本的に着眼点は同じで、特徴的な星群星列、面白い多重星がないか、星の色が楽しめないか・・・などを注意しながら眺めて行けばよいのです。

ただ、天の川を条件の良いところで眺めていると、あまりにもたくさん星がありすぎて、そういった着眼点がすっ飛んでしまい、ただただ見入ってしまうことが多いです。

特に星の色については漫然と見ていると、それほどハッキリ認識していないことが多いようです。

はくちょう座にはにきれいな色の対比が楽しめる双眼鏡向けの二重星がありますので紹介しておきます。(以前紹介した洋書「Binocular Highlights」にも紹介されている星です。)

その星は、はくちょう座31番星と30番星です。

位置はデネブの少し西側。

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双眼鏡で見ると明るい31番星が金色、やや暗い30番星が薄い水色に見えて80倍くらいで見たアルビレオ(はくちょう座のくちばしにあり色の対比か美しいことで有名な星です)に似た感じです。

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望遠鏡で見ると離れすぎていて面白くない対象で、双眼鏡で楽しむのにはもってこいの二重星です。

デネブ付近やサドル付近の濃い天の川のスタークラウドを楽しんだついでに少し双眼鏡を振って星の色を楽しんでみて下さい。

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双眼鏡で星空観察入門 (28)

今日も昼間は良い天気。

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夜はまたもや・・・・

さて「双眼鏡シリーズ」です。

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-4. いて座のM天体巡り(天の川クルーズの奨め)(の続き)

(資料準備の都合上順番が入れ違ってしまいましたが一昨日の続きです。)

いて座のM天体巡りの中で、たくさんのM天体があることを紹介しましたが、ぜひ双眼鏡で見て頂きたいM天体&星群・星列が三つありますので、個別に紹介しておきます。

ABK020 いて座 球状星団M22 分類:メシエ天体

いて座周辺には球状星団もたくさんあるのですが、中でも群を抜いて大きいのがM22です。

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例によって双眼鏡では寝ぼけた恒星のように見えるだけですが、大きな望遠鏡で見ると双眼鏡でヘルクレス座のM13に勝るとも劣らない素晴らしい眺めを楽しめます。

090715M22

見つけ方は双眼鏡ならばわりと簡単で、南斗六星の柄のあたりを左右に流して寝ぼけた恒星が見えればほぼそれがM22です。

南に低いのでM13ほど見えるチャンスが多くないのですが、ぜひ見つけられるようにしたい天体です。

ABK021 いて座 散開星団M24 分類:メシエ天体

M24は南斗六星の柄杓の柄の先から少しだけ右(西側)にある天の川が非常に濃くなった部分にあります。

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下の写真はオメガ星雲と呼ばれるM17が一番上にあり、右下のスタークラウド(星が密集した部分)の中のさらに右下よりの星の集まりがM24です。(双眼鏡ではここまでは見えませんが・・・)

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一説にはメシエカタログを作ったメシエさんはスタークラウド全体をM24としたらしいとも言われています。

つまり濃くなった部分の散開星団というよりも、濃くなった部分そのものがM24なのだということです。

直径1.5°ほどに広がったスタークラウドでたくさんの微光星と星雲状の天の川が重なった状態に見えます。

双眼鏡では、黒いバックに白スプレーを軽く吹きかけた後に、塩をひとつかみ撒いてさらにその上に細かいビーズをばらまいたように見えます。
(写真では中央やや右寄りにM24が大きく広がっています。左端にM25、上端にM17が見えています。)

じっくり見ているとため息が出るほどの美しさで、本州付近で見える天の川の中では最も美しい部分だと思います。

M天体ではあるのですが、特に星団というわけではなく、たまたま銀河系の深い部分が暗黒星雲に邪魔をされずに見えているだけのようです。

天の川が見える機会があればぜひ双眼鏡で眺めて頂きたい星域です。

ABK022 いて座 散開星団M25の眠りネコ星列 分類:メシエ天体、星列

M25は上で紹介したM24のすぐ左上の、となりにある散開星団です。

双眼鏡で見るとそれほど立派な散開星団ではないのですが、その周りにはM25を取り囲むような星列があって・・・

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見ようによってはネコが丸まっているように見えます。

まるで日光東照宮の「眠りネコ」のような形に見えます。

「いて座M25眠りネコ星列」と名付けます。

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