双眼鏡で星空観察入門 (33)

今日も良い天気が続きます。

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でも夜は小雨混じりの天候に・・・ (誰のせいだ~・・・)

昨日一昨日と2日続きの好天でした。

そして「双眼鏡シリーズ」のコンテンツ集めがだいぶ捗りました。

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-10.やぎ座周辺の星巡り

やぎ座は秋の星座に分類されますが、夏の星座であるいて座のすぐとなりにありますので夏休みが終わってすぐの初秋の頃が見頃になります。

やぎ座から、みずがめ座、うお座、みなみのうお座、くじら座など水がらみ星座が並ぶ秋の南天ですが、明るい星が少ないので、都会ではポッカリ穴があいているような感じのするさみしい空です。

でもこのあたり、双眼鏡を使って見ると意外にたくさん見所があります。

本節ではやぎ座の見所を紹介します。

ABK033 やぎ座 α星周辺重星群 分類:重星

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やぎ座α星(アルゲディ、ヤギの意)は目の良い人なら肉眼でも見える二重星です。

もちろん双眼鏡で見れば明らかに左右に分かれて見えます。

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右がα1(プリマ・ゲディ、第1のヤギの意)、左がα2(セグンダ・ゲディ、第2のヤギの意)と呼びます。

面白いのはこのα1,2の左右にほぼ一列に暗い星が並んでいるところです。

明るさも間隔も違う星が4個並んでいる姿は少し楽しめます。

またα1は望遠鏡で見るとさらに二重星で、α2は大口径でないと分離しない3重星です。

アルゲディのすぐ下にあるβ星(ダビー、ひたいの意)は双眼鏡でも分かる黄色い3等星と水色の6等星の二重星です。

望遠鏡で見るアルビレオのような感じでとてもきれいな二重星です。

ABK034 やぎ座 δ(でるた)星ヤギのしっぽ星列 分類:星列

やぎ座の星座絵は上半身がヤギ、下半身は魚という神話の面白いエピソードが素になっています。

星座を結ぶ線からはそんなことは見えてこないのですが、双眼鏡では実際に魚の尾びれのように星が三角形に並んでいることが分かります。

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やぎ座のしっぽが「魚の尾びれ」になっていることが分かって何だか楽しい気分になります。

ABK035  やぎ座 ω(おめが)星ヤギのω星列 分類:星列

やぎ座は逆三角形の形をしていて、「パンツみたい」と言う人もいます。

この逆三角の一番下の頂点の部分にあるω星のあたりを見ると・・・

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なにやらフワフワと二つの房のような星列を見ることが出来ます。

ヤギさんが雄だったか雌だったかでどういう名前にするか悩ましいところですが(笑い)、ここでは無難にωの形にも見えますので、ヤギのω星列と呼ぶことにします。

追記(9/2)

はじめはω星のところにωの形があるなんて、なんて偶然だろうと思ったのですが、冷静に考えるととても不自然なことに気づきました。

ヤギ座にはω星よりももっと暗い星があるのになぜ、ギリシア文字の最後のωが割り当てられたのかとても不思議です。

やぎ座の中で一番下の星としてその符号が付いたのか、それともここで紹介したωの星列に気付いて付けたのか・・・・

いずれにしても、とても茶目っ気のある符号付けだと思いませんか?

ABK036  やぎ座 ζ(ぜーた)星ヤギの隠れた足星列 分類:星列

さてやぎ座がなぜ上半身がヤギで、下半身が魚なのかと言うと・・・。

牧神であるパーンさんが牧場で普段のスタイルであるヤギでいるところを魔物に襲われ、大慌てで逃げているときに川に差し掛かったので、泳いで逃げようと魚に変身しようとしたのですが、慌てていて下半身しか魚に変身できなかったそうです。

この慌てふためく姿が面白くて星座にされてしまったということなのですが、逆三角の並びの左下の辺にあるζ星あたりを双眼鏡で見ると・・・・

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ヤギの後肢のような星の並びが見つかります。

実は下半身が魚にはなったものの、後肢をうまくしまうことが出来ないままだたのか・・・・と分かると、いっそうヤギさんの慌て具合が分かる気がして可笑しくなります。

「ヤギの隠れた足星列」と呼びます。

 

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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