今日は久々に牧場のハイキングコース(スタパから車で10分)を
歩いてきました。
天候は今一つでしたが、素晴らしい景色や、牛さんに会うことができ
とても癒やされました。
さて今日も日の出光学の双眼鏡<A4>のレビューです。
昨日は外観の変更点について解説し、概ね良好な方向に改良されて
いることを書きました。
今日は実際に景色や星空を見たときの報告をしたいと思います。
従来からのAシリーズ同様、抜けが良くて、のぞきやすいという
特徴をA4も踏襲しています。
日の出光学の製品全般に言えることなのですが、とにかく覗いた時に
スッキリ、明るく見えます。
夜使うと良くわかるのですがA4は従来機(A3)よりも明らかに
明るく見えます。
決して白けて見えるというわけでは無く、暗い部分の濃淡がより
クッキリ見え、最微光星も0.2等星くらい違う感じがして、より
たくさん星が見える感じがします。
感覚的な話になってしまい恐縮なのですが、A4は筐体を大きくした
ぶん、プリズムを大きくしたり、迷光対策をしやすいなどのメリット
が効いているのではないかと思います。
実視界がA3:9.4°に対しA4:11.0°と一回り広くなっているのも
星がたくさん見えるように感じる要因だと思います。
視野中心の解像度はA3よりもA4の方が高いと感じました。
ただしA4は視界を広げた分、視野周辺部の星像の乱れは大きいです。
A3では視野のかなり周辺部まで大きく星像が乱れないのに対して、
A4では視野の半分くらいから緩やかに星像が伸び出し、周辺では
かなり伸びた形(不快というほどでは無いですが)になります。
好みの部分もありますが同社のマニア向け製品S1(6×21)に近い
セッティングです。
昼間に使う限りは「明るく見える」とか「視野周辺の像がどう」とか
というのはあまり気にならないのですが、星を見るとこの辺の差が
ハッキリ出てきます。
私としては実視界11°というところにかなり意味があるような気が
しています。
人間の眼というのは凄く高性能で、魚眼レンズほどの広い範囲を
一度に見渡せるのですが、グッと注視したときには135mmくらいの
望遠レンズのように細かくものを見ることができるといわれています。
上の図はパソコン用プラネタリウムソフトのステラナビゲータで
作ったものですが、こと座を取り囲む四角い枠が135mmレンズで写る
範囲で、○で示したのが11°の視界の範囲です。
何だか奇妙な一致があると思いませんか?
そうなんです、A4を使っていると「あっ、あそこにおもしろそうな
ものがあるゾ!」と注視してみた場所に向けたときに、ちょうど見たいと
思う範囲を拡大して見せてくれるので、肉眼の延長上でストレス無く
細かいものが見えるといった感じがします。
もっと口径の大きいものを使えば微光星がたくさん見え、輝星も
より明るく見えて迫力は増すのですが、必然的に倍率が高くなり
見える範囲が狭くなるので、肉眼の延長上という気がせず、見せ
られているという感じが強くなります。
もともと5倍という仕様は手ぶれが少なくて、気楽に、気持ちよく
使えるものなのですが、11°という実視界がよりいっそう景色や
星空を見たときに楽しく使えるようになったと思います。(続く)