何となく霞んだ天気・・・
梅雨明け十日が終わり、少し天候が不安定になり始めているようです。
さて、しばらくお休みしていた「超々・・」シリーズですが、今回は屈折望遠鏡の
「遮光環」について解説したいと思います。
遮光環というのは、屈折望遠鏡の鏡筒の中に入っているドーナツ状の絞りの
ようなリングのことです。
「絞り環」とか「遮光絞り」とか「バッフル」といった呼び方をすることがありますが
ここでは「遮光環」と呼びます。
望遠鏡を対物レンズ側からのぞき込むと、筒の中に1・2枚設けられている
のが分かります。(写真では光のかげんで三日月形に光っています。)
厳密には「光学」という分類ではないかも知れないのですが、この設計が
きちんとしていないと、どんなに良いレンズを使ってもよく見える望遠鏡に
なりません。
遮光環の役割を理解できれば、望遠鏡を自作する場合や、見え方の悪い
望遠鏡を改造するときにとても役に立ちますので、少し突っ込んだ解説を
したいと思います。
まずは遮光環の有無で何が違うのかを見て下さい。
下は遮光環のない望遠鏡に接眼レンズを付けずに、明るい方に向けてみたときの
状態です。
筒の内側が明るく光っているのが分かると思います。
次にこの望遠鏡に遮光環を配置したときの見え方が下です。
完璧ではありませんが、筒の内側の乱反射(迷光といいます)がほとんどなくなり
レンズだけが明るく光っているのが分かると思います。
上の(遮光環がない)状態で接眼レンズを付けて景色を見ると、何となくモヤが
掛かったように霞んだ見え方をします。
下の状態ではシャキッとクリアに景色が見えるようになります。
つまり遮光環を適切に配置することにより、鏡筒内での迷光を抑え、
コントラストの高い像を得ることができるようになるわけです。
続く・・
ピンバック: 連載(3)【1万円で買える天体望遠鏡】選び方 | 天リフOriginal
ピンバック: 連載(3)【1万円で買える天体望遠鏡】選び方|天リフNavi