5.双眼鏡使い方

5.双眼鏡使い方

5-1.使い方の基礎

双眼鏡の基本的な使い方は、第1節 都市伝説「双眼鏡は使い方が簡単」のところで述べたように・・・

1) アイカップ調整:覗き始める前にメガネの有無でアイカップの高さを変えます。
2) 目幅調整:自分の目の幅に左右のレンズを合わせる
3) 片眼ピント調整:基準となる方の眼(双眼鏡によって異なるが多くは左目)で対象にピントを合わせる
4) 視度調整:もう片方の眼で視度の差分のピント調整ををする

という流れで使い始めることが出来ます。

ここではこの基本的な使い方の部分をもう少し詳しく説明します。

1)アイカップ調整

接眼レンズにはアイポイントといって覗くための最良の眼の位置があります。

アイポイントにしっかり瞳を置かないと視野全体を見ることが出来なかったり、視野の一部が黒く見えたりといったことが起こります。

アイポイントのうち光軸方向の接眼レンズ面からの距離をアイレリーフといって、15~20ミリくらい離れていた方がメガネを使用している人にも使いやすいです。

なので、最近の双眼鏡の多くは「ハイアイ」と言われる長めのアイレリーフを持っている製品が多いです。

接眼レンズの覗き口に着けられるアイカップは元々眼とレンズの隙間からよけいな光が入って見えづらくなるのを防止するための部品ですが、ハイアイ仕様の場合にはメガネの有無でアイカップの高さを変更できないと、眼の位置をうまく合わせることが難しいです。
このため最近の双眼鏡では、まず覗く前にメガネの有無によるアイカップの高さ調整が必要です。

アイカップ調整には様々なタイプがあるので事前に確認しておきます。

2)目幅調整

当然ですが、双眼鏡というのは2本の望遠鏡が平行に並んだ状態で組み立てられているのですが、人によって左右の眼の間隔が異なるので、左右の眼がそれぞれの接眼レンズの中心に行くように調整が出来るようになっています。

160808mehaba

目幅が合っていない状態で覗くと、ちゃんと見えなかったり、下の写真のようにそれぞれの視界が重ならずにダブって見えてしまいます。

160808siya2

きちんと目幅があった状態では視野円はひとつに重なって見えます。

160808siya1

間違っても映画のワンシーンのようなこんな見え方はしません。

160808siya3

双眼鏡にもよりますが、少し大型のものには下のように目幅の目盛がついているものもあります。

160808mehaba2

自分の目幅を覚えておくと、覗く前に目盛で合わせておけるので便利です。

以上が一般的な目幅調整の話なのですが、私の経験談を少し・・・

私の眼は「ガチャ目で」左右の光軸がきちんと合っていないようなのです。(なぜそう思うのかはここでは割愛します。)

でも人間の脳というのはとても素晴らしいようで、脳の中でうまく合成して破綻のないように画像処理をしてくれているようなのです。

でも双眼鏡を覗いたときに、無理矢理、眼幅合わせで視野を一つにしてしまうと、脳の方が混乱を起こして景色(星)が一つに見えずダブって見えてしまうことが多いです。

そんな事があって、正直なところ長いあいだ双眼鏡を使うのはあまりうまくなかったのです。

でもたくさん使うようになって気づくと、良く見える目幅では視野円が一つになっていなかったのです。

視野を無理矢理一つにしなくても良いことに気づいたら、双眼鏡で星を見るのがとても楽しくなりました。

人によって違うので難しいですが、そんなこともあるのですね。

(続く)