6.双眼鏡で星空を見るための参考書

双眼鏡で星空を楽しむための参考書をいくつか紹介しておきます。

このての参考書は天文趣味の分野の中でも範囲の狭い限られたモノですのであまり数が多くありませんし、わりと入手しやすいモノを紹介しておきます。

実は5年前にスター☆パーティのブログで紹介したときと参考になる書籍には全く変化がないです。

ある意味進化が止まってしまった分野なのかと思うと少しガッカリなのと、(自分も含め)この業界の人達の努力が足りないと反省しています。

1.双眼鏡クラブ(白尾元理 著 誠文堂新光社)

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星空観察というよりも双眼鏡そのものの本です。

双眼鏡の知識や名機と呼ばれる機種の紹介、星や野鳥観察の導入といった内容です。

2.双眼鏡で星空ウォッチング(白尾元理 著 丸善)

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かなりの比率でM天体が主体の星雲星団のウォッチングガイドがされています。

たいへんマジメに作られた本で、丁寧な解説がされています。

きれいな写真とセットで紹介されているのですが、写真を見てから双眼鏡で眺めたら、かなりガッカリしないかと心配になります。

3.双眼鏡で星空を楽しむ本(藤井旭 著 誠文堂新光社)

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太陽系内の天体はもちろん、人工衛星や流星まで、とにかく宇宙にあるモノを
何でも双眼鏡で見てみようという楽しい本です。

後ろ半分は星雲星団がメインになります。

「2」よりも柔らかいというか、あっさりしているというか、初心者には
取っつきやすいかも知れないのですが、そのぶん浅い感じです。

「2」以上に写真がきれいで、眺めているだけで楽しいです。

ただ、1から3の書籍全てにいえることなのですが、双眼鏡で見るよりも望遠鏡で見た方が絶対良く見えて、楽しいと思える天体がたくさん紹介されています。

そんな内容なので個人的には心からお奨めできる本ではないことをお断りしておきます。

4.Binocular Highlights(Gary Seronik著 SKY & TELESCOPE)

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洋書です。

英語の堪能な方か、すでに相当星に詳しい方(どちらか一方でOK)以外にはお奨めしません。

1~3の和書と異なり、ほとんど写真がなく、かなり地味です。

でも双眼鏡で星空を楽しむという意味では一番分かっているなぁと思える本です。

星雲星団にこだわらず、二重星や特徴的な星の配列、星の色など双眼鏡で見たら楽しいという天体を写真を使わずに紹介しています。

少し困るのは低倍率にこだわらずに紹介している対象が多くて、少し倍率の高い(20~30倍)双眼鏡や望遠鏡でないと面白くない天体も多いです。

好みの問題もあるのですが、個人的には このサイトの目的からすると4→2→3 の順でお奨めかな?と思います。(1はこのサイトの目的から考えてお奨めしません。)

この先、本サイトで紹介する星々はこの本の路線で進めて行きたいと思いますが、本サイトは手持ちの低倍率双眼鏡で楽しむことに主眼を置きます。

まあ本などなくてもただ双眼鏡で星空を見上げているだけで楽しければそれでよいので、慌てて買う必要はないと思います。

ただ何か素敵な天体を見つけてしまったときに、アレはなんだろうと確認したいときには参考書や星図があると便利かも知れません。