13番目の望遠鏡 ブルーⅡ登場(その2)

前回からの続きです。
 このMC127Lというビクセンの望遠鏡は、2003年の火星大接近のころに惑星観測用にと中国で生産され発売された製品です。

しかし、発売後間もなく某天文雑誌のインプレ記事であまり良い評価をされなかったこともあって、マニア受けが悪かったのか、すぐに製造中止になってしまいました。(もちろん製造中止になってしまった本当の理由は知りませんが・・・)
一時期全く市場に出回らなくなったのですが、現在は望遠鏡ショップのアイベルさんで新品が手に入りますし、京都の国際光器さんでも外見は少し違いますがたぶん中身・仕様が同じものを販売しています。
ただ新品となると筒だけで4万円前後の予算が必要です。先のインプレ記事のこともあるので(大丈夫だとは思っていても)、買って使い物にならなかったらショックが大きいので、以前から中古市場で出物を探していました。先日久々にヤフオクを見ていたら出品があっリ、入札したら手ごろな価格で落札することができたというわけです。

以前から天文台の死角を埋めるために、このクラスの口径の望遠鏡が欲しいと思っていたことは前回書いたのですが、なぜこのサイズかについてもう少し詳しく説明します。
望遠鏡を買うときのポイントとして、いかに気楽に外に持ち出せるかというのが非常に重要です。いかに高性能の望遠鏡でも、大きいとか、重いとか、セッティングに時間がかかるとかといった少しでも肉体的・時間的に負担がかかるものを頻繁に使うと言うのは予想以上にパワーを消費します。買ったばかりのころはまだしも、1年もするとよほどのことが無い限り望遠鏡を組み立てる気がしなくなる人がほとんどのようです。
せっかく大金をはたいて買う望遠鏡ですから、できるだけ使用頻度が高くなるようなものを購入するのが結局のところお徳ですし、天体に関する興味も長続きすると言うわけです。
で、具体的にどのくらいのサイズが適切かなのですが、これは体力や住宅事情の違いなどによってかなり変わってくるので一概には決め付けられない部分が大きいのですが、私個人としては、組み立てた状態で室内に置いておける、この総重量が10kg以内で、鏡筒の長さ(フード込みで)が1m以内というのが目安だと考えています。
このサイズですと
・短時間であれば片手で持っていられる(ドアの開閉が望遠鏡を置かずできる)。
・ドアの通過が気を使わずにできる。(鏡筒が長いとドアサッシにぶつけがち・・)
・長い距離(数十メートルくらいなら)一気に持って移動が可能。
という芸当が可能になります。
星が見たいと思ったときに、気軽に屋外に持ち出して、視界の良いところまで持ってゆくことができます。鏡筒と架台部分を別に運ばなければならないだけで確実に利用頻度が下がるのが一般的です。
ところで、望遠鏡というのは理論的に口径の大きいほうが高倍率も出しやすいし、暗い星まで見えますので、よく見えるようにするためにはどうしても大きい望遠鏡が欲しくなって、上の条件が満足できなくなりがちです。
そんな訳で、上記の条件を満足させつつ最大の口径というのが、実は今回購入したMC127Lクラスに相当すると考えていたわけです。(もちろん予算や好み、考え方の違いで他にいくらでも組み合わせは考えられると思いますが・・)
ビクセンのポルタ式経緯台に載せると、総重量がピタリ10kgに収まります。ポルタとの組み合わせでも良いのですが、高倍率での惑星の観察をメインに考えますと、眼視専用と割り切った軽めの赤道儀との組み合わせが望ましいと考えています。10kgを少し超えるかもしれませんが、まあ我慢の範囲に入ると思います。
手持ちの赤道儀に載せるためには何かしらアダプターの金具を製作しなければならないのですが、できるだけ早く実戦配備したいと考えています。

望遠鏡の見え味はどーなの?と気に掛かるところですが、その辺はまた別の機会にご紹介したいと思います。(うーん、引っ張るなぁ~)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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13番目の望遠鏡 ブルーⅡ登場(その2) への1件のコメント

  1. 星大好き店長 のコメント:

    テストレポート楽しみに待っています!

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