梅雨の中休み、ちょっと長い気がしますがさすがに雲の多い天気に
なって来ました。
スタパ前の畑ではようやくマルチが掛かり、作物の植え付けが
始まりました。
さて「今年のスタパは」シリーズでお伝えしているように、今年は
ホームページの全面リニューアルをするための作業を進めています。
ブログで書き散らかした過去記事を再編集してまとまった読み物と
して保管するという作業もする予定です。
ただ古い記事を読み返していると、日々書き散らかしているので
思い違いや言葉足らずな部分が眼についてしまい、かなり大幅な加筆
修正をしないとそのままでは再掲載しにくい記事もあります。
今日の記事は2009年9月から10月掲載した「月光浴の科学」シリーズの
「その3」で月の明るさについて書いた記事の書き直し版です。
少し長いので2回に分けて掲載します。
月の見え方と明るさ不思議
満月の日に月を見るとお盆のように丸く見えます。
満月の時はいつ見てもそうなので、別に不思議にも思わないかも
知れないのですが、実はこれとても不思議なことなんです。
月が本当にお盆のように平らな存在なら、太陽の光を均等に反射する
ので、一様な明るさに見えて不思議はありません。
でも月以外の太陽系にある球形をした天体(=太陽と惑星)はそんな
ふうには見えません。
周辺減光といって中心部分よりも周辺部のほうが暗くなるのが
普通なんです。(上の写真は木星ですが、明らかに周辺が暗く
なっているのが分かります。)
通常の物体表面の反射特性というのは正面から当たった光は
拡散反射をしてわりと輝度が一様に見えます。
しかし、とても浅い角度で光が入射すると正反射をする分が増えて、
光が入射した方向に拡散成分の光が反射されなくなるという現象が
多くの表面反射で起こります。
このため惑星の周辺部に射し込んだ太陽の光の多くは正反射されて
入射方向に反射しないので、周辺部が暗く見えるという現象が起こり
ます。(太陽の場合は少し違う原理になりますが・・・)
ではなぜ月はお盆のように周辺部まで均等な明るさなのでしょうか?
月の表面というのは月ができて冷えて固まってから少なくとも30億年
くらいの時間、宇宙から降り注ぐ細かい塵が降り積もっています。
大きな隕石が落ちてクレーターを作ることもありますが、ここ数億年は
その頻度は非常に小さく、地球に落ちてきて流星になるような小さな
塵が月にも降り注ぎ続けているのです。
アポロ宇宙船の飛行士達は月面活動でこの細かい塵が宇宙服に着いて
しまい、とても苦労したそうです。
この塵はレゴリスと呼ばれ、月の表面全体に微少な凹凸を作るように
堆積していると考えられています。
そしてこの微少な凹凸こそが満月をお盆のように見せる原因なのです。
下の図はレゴリスの凹凸の断面を模式的に描いたものです。
(実際はもっとランダムですし、面で広がるのでこんなに単純では
ありませんが・・・・)
満月の場合、地球は太陽を背にして月を見る位置関係になります。
(太陽-地球-月 の順にほぼ一直線に並びます。)
このとき月の中央部付近は図の左側のように、レゴリスの中の方まで
太陽光が入り込み全体が一様に光ります。
また月の周辺部は図の右側で光の入射方向から見るような形になる
ので陰や影は見えない状態です。
微少な凹凸があるおかげで周辺部でも光の入射角が大きくならず、
拡散反射成分が多いので周辺減光が発生しないということになります。
周辺減光が発生しないので縁まで明るく見えてお盆のように見えると
いうわけです。
続く・・
月光浴の科学楽しかったです。cosの使い方なんて考えたことなかった・・・確かに月の見え方も! 知ることに貪欲になるのは歳をとったからなのかしら。もうすんなりは頭に入っていきませんが(;´・ω・)楽しいです。いろいろ勉強になります!
みどりんぐ さま
「月光浴の科学」お読み下さってありがとうございます。
cosθという言葉が出てきた時点でスタパおかみなどは思考が停止してしまうのですが、
難しく考えずに事例で考えれば理解できることが以外に多いですね。
分かったようなつもりになって頂ければと思って書いています。
今後ともよろしくお願い致します。