春の星座 -その10- かみのけ座

今日もポカポカで気持ちのよい春の陽気。

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スタパの庭ではチューリップが満開です。

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さて春の星座シリーズ、今日は「かみのけ座」です。

かみのけ座はかなり見つけるのも難しいですし、星の並びが特徴的なわけでも
ないマイナーな星座です。

でもかみのけ座はとても古くからある星座で、しっかりした神話も残されて
います。

エジプト王のプトレマイオス3世の王妃ベレニケはとても美しい髪の持ち主
だったのですが、王の遠征のおり無事を祈って髪を神に捧げたのだそうです。

祈りは聞き届けられ、王は無事帰り髪は星座になったということです。

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かみのけ座はアルクツールスとデネボラとコルカロリで作られる三角の中に
ほぼ収まっているのですが、星座の線から「かみのけ」を連想するのは難しい
です。

でも実際に星空を見上げると、この三角の中にはMel(メロッテ)111という
大きな散開星団があって、本当にモヤモヤと髪の毛があるように見えます。

昔の人はこれを見て髪の毛を連想したのだと考えて良いでしょう。

星座線を引くこと自体ナンセンスな気がします。

さてこのかみのけ座、星座としてはとてもマイナーな部類に入るのですが、
天文学的にはとても重要な場所に位置しています。

かみのけ座は私たちの銀河系の北極があります。

北極と言っても地球の北極とは意味が違って、渦を巻いた銀河系の回転軸の
北側が向いている方向がかみのけ座の方向にあるということです。

地球から見ても銀河系の中の星が一番少なくて、銀河系の外側が観測しやすい
方向というわけです。

このため最先端の天文学で宇宙の一番遠い部分の観測をするのには、とても
重要な方向だということになります。

というわけでかみのけ座の見所はなんといっても系外銀河ということになる
のですが、私たちから遠いところにあるものが多いので、あまりよく見える
ものは少ないです。

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M64は黒目銀河と呼ばれ、銀河の中央付近に暗黒帯があって、瞳のように見える
ことからこの名前で呼ばれています。

40cm望遠鏡で見ると暗黒帯の存在が何とかわかるような見え方をします。

M天体ではないのですが、NGC4565も条件の良い日には意外とよく見えます。

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銀河を真横から見たエッジオンタイプです。

あまりにも遠くてかすかにしか見えないのですが、あちらにも知的生命体が
いてこっちを見ているかも知れないなどと考えながら見ていると、何だか
とてもワクワクしてきます。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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