古い赤道儀にモータードライブを付ける

今日も昼間は良い天気。

161102stapa

スタパ周辺でも紅葉が見頃になってきました。

さて今日は古~い中古の赤道儀にモータードライブ(以下モードラと省略)を装着して、天体の自動追尾ができるようにする方法の紹介です。

今の赤道儀は始めからモーターがついていて、星の日周運動による動きを追いかけてくれるようにできているのが当たり前になりつつありますが、昔々は追尾用のモーターはあくまでも後付けオプションで、高価なこともありほとんどの人は手動で我慢するのが普通でした。

特に入門レベルの赤道儀にはあとからモーターを追加するという発想自体がなく、追加できる構造になっていないものも多くあります。

現状でビクセンなどが販売している赤道儀はしっかりできすぎていて、子供が使うとか、ミニスコープを載せたいと言うときにはオーバースペック過ぎるような気がします。

一方エントリーモデル(あるいはトイグレード)についている赤道儀は鏡筒のスペックを欲張りすぎて、架台が負けている場合が多かったり、モードラのオプション設定がなかったりなど、どうもお奨めしたくないものが多いです。

エントリーグレードでモードラのオプション設定があるのは以前このブログで紹介した米国オライオン社の「ミニEQ赤道儀」くらいです。

091112miniEQ6

ただこの「ミニEQ」、強度不足なのとモードラの精度がかなりいい加減なものだったので(現在では精度の良いものも選べるようになっていますが)あまり使い物になりませんでした。

ミニスコープ用の赤道儀としてビクセンの写真用赤道儀「ポラリエ」などと組合わせることも一つの手です。

140321mini6

ただ「ポラリエ」の価格を考えると結構な高級品となってしまいますし、「ポラリエ」を本来の使い方で使いたいときに、やっぱり「ちょい見用」のお手軽赤道儀が欲しいと思うわけです。

そんなわけで古スコ用の赤道儀をモードラ改造してみようと考えた訳です。

今回モードラ改造をするために用意した赤道儀がこちら

161102kadai1

たぶんケンコーの古い(20年くらい前の)望遠鏡についていた赤道儀だと思います。
(ネットオークションで送料込み2100円で入手しました。)

この赤道儀、基本設計は50年以上前から変わっていないタイプで、私が高校1年の時(45年前)に悪名高き「ダウエル(成東商会)」から購入したものとほとんど同じ仕様です。
(この赤道儀にはAC100V仕様1rpmのシンクロナスモータと平ギアを組合わせてモードラ改造して使用した。)

それでも今回入手したものはわりと新しいのか、オプションでモードラを取り付けるための細工がしてあります。

古い設計が幸いしてか赤経微動用のウォームホイルギヤの減速比が144です。
(最近のエントリーグレードの赤道儀はコストダウンのためかもっと小さな減速比が多いです。)

減速比が144ということはウォームギアを10分に1回転させてやればよいので、わりとモーターの回転数が分かりやすい仕様にできますし、現在でも144の減速比を持つ赤道儀は多いので、その赤道儀用のモードラを流用することも容易になります。

電気・電子工作の心得があれば秋葉原あたりで部品を集めて全て自作することも可能ですが、手間と時間と仕上がりの出来具合を考えると、気楽に始める気になれないでいました。

中古でもよいので何かお手頃なものはないかと物色していたら、スカイウォッチャーの「EQ3」(セレストロンの「CG-4」と双子)の1軸モードラが減速比144用で、お手頃価格であることが分かりました。

ご指摘をいただきスカイウォッチャーのEQ3赤道儀の減速比は130であることが判りました。

よってここで紹介した改造をしても正しい追尾が行えません。
お詫びして訂正致します。

なお本改造を行った場合、日周運動の9割程度のスピードで追尾するため、固定状体よりもかなり長く(約10倍)同一の星を視野に留めておくことができますので、眼視観測の場合や月の撮影程度ならばかなり便利に使うことができると思います。

 

161102kadai2

今回は「アイベル」さんから入手(送料込み1万円でおつりが来ました。)

モーター、コントローラー、電池ケース一式でこの価格は新品としてはお手頃だと思います。

さて、このモードラをどんなふうに付けるか次回に紹介したいと思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
カテゴリー: 天文関係, 望遠鏡・機材 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください