「超々入門・・」シリーズをしばらくお休みしていましたが、実はこのシリーズ
連続して書くのは正直なところかなり厳しいです。
毎回、判りやすく理解していただくための図を用意して、知識のない方にも
判っていただけるように書くとなると自分自身が充分に理解していなければ
なりません。
自分では判っているつもりでも、いざ書き始めると「あれ~ッ、ほんとに
そうだっけ?」と端から参考書をひっくり返して調べなければならないことが
かなりあり、改めて自分の浅学を思い知らされてがっかりします。
書くほどに自己嫌悪が深まるというわけです。
実はまだまだ書きたいテーマはいっぱいあって、ネタ切れの心配は当面無い
のですが、自分の勉強と作画の時間が追いつかない状況です。
というわけで、愚痴はこれくらいにして、本題に入ります。
天体望遠鏡というのは物が逆さまに見えます。(これは以前に望遠鏡の原理の
ところでお話しました。)
上とか下というのは人間が決めたもので、宇宙には上も下もないから天体を
見る分には逆さまでも全く困らない。 ようは慣れです。
というのが望遠鏡を提供する側の考え方です。
実際、慣れてしまえばどうということも無くなるのですが、双眼鏡のように正立像が
見えたほうが(特に初心者には)使いやすいし、地上を見るのには絶対正立の
ほうが良いです。
でも、逆さま(倒立像)を正立させるには、反転させるための余計な光学系を
組み込まなければなりませんし、余計な光学系を組み込めば、高倍率で鮮明な
結像が求められる天体望遠鏡には相当精度の高いものを使用しなければならず、
コスト的に無理が生じます。
もう一つの理由として、天体望遠鏡の場合、眼視観測では天頂付近を見るときには
天頂ミラーや天頂プリズムといった望遠鏡の光路を90度曲げる部品を使用する
ことが多いので、その組み合わせでまた像が反転したり逆転しないように考えるのも、
ややこしいです。
そんあこともあって「天体望遠鏡は倒立像」というのが常識になっているようです。
それでも、天体望遠鏡で正立像を見るためにはどうすれば良いか・・・
次回以降に詳しく考えて行きたいと思います。
(続く・・)