今日はまたもや曇り空に逆戻り・・・
スタパの庭ではコスモスに続き、レモンクイン(宿根ヒマワリ)とルドベキアタカオが黄花競演です。
さて今日も「ゼロ星」シリーズ、第3章が続きます。
第3章 星空観察の作法
3-2. 星空観察のための「眼」の知識
3-2-2. 中心視と周辺視
星空観察をする上で役立つ眼の特性についての知識を紹介します。
前節でも書いたように視細胞には色を感じる錐体と、高感度で動きを感じやすい桿体の2種類があります。(錐体はさらに赤・緑・青を感じる3種類に別れます)
錐体( すい状体)と桿体(かん状体)の分布は上図のようになっています。
錐体は眼の視線中心部に特にたくさんあって色や形を認識するのに使われます。
(特に視線中心部の密集度が高いです)
桿体は特に中心から10~20°くらいの範囲にたくさん分布し、視野端まで存在しますが、大まかな形や動きを認識するのが得意なのと、暗所では高感度になってくれます。
星空観察ではこの特性を理解したうえで、うまく使い分けてあげることを身につけておくと良いです。
まず暗い場所では積極的に感度が高くなる桿体を使ってあげるようにすると、暗い天体や足下が見えやすくなります。
具体的には、暗くて見えにくいけれどもできるだけハッキリと見たい対象を見るときにはまっすぐ中心で見ようとせずに視線を10~20°くらい(上下でも左右でも良いので)逸らして(視野の端で)捉えるようにします。
そうすると不思議なことに視線中心では見えなかったものがフワッと見えてくるのです。
「あッ、見えた!」と思って中心に視線を動かすとまた見えなくなってしまうので、視野の周辺から視線を動かさないようにして見続ける練習が必要になります。
この見方を「周辺視」といいます。
いっぽう望遠鏡で惑星や近接二重星(非常に接近した二重星をこう呼びます)を見ようとするとき漫然とみていても細かい模様や星が二つに分かれているのを見ることができないことがあります。
色や形を認識する錐体は視線中央のごく狭い範囲に高密度に密集しています。
この密集した部分は分解能が最も高くなるのですが、その範囲は月の視直径(=0.5°)くらいしかないので、ほんの少し視線がズレただけで細かい部分を見ることができなくなってしまいます。
このできる限る中心でものを見るという動作が「中心視」です。
惑星や二重星を見るときはできる限り中心視をしないと細かい部分が見えないのですが、実はこれも多少の熟練が必要です。
中心視と周辺視をうまく使い分けることを覚えておいて下さい。
(続く)
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