今日は曇りの一日でした
スタパ周辺もすっかり新緑という雰囲気になっています
さてスタパの自動導入赤道儀シリーズ、今日はZWO社のAM5赤道儀です
この赤道儀の最大の特徴は古来からあるドイツ式赤道儀ながらバランスウエイトが不要である点です
工業用ロボットアームに使用される波動歯車を用いることにより、超アンバランスな状態でもバックラッシュ(歯車のかみ合わせによるガタ)が生じなくて、精密な位置制御ができるというテクノロジーを採用しています
従来の赤道儀というのは、とにかくギアや軸の精度を向上させて追尾の精密さを競っていました
精度のモーターと設置精度が確保できればフィードバックがなくて高精度に天体の追尾ができるという手法で(日本のお得意の分野でした
いっぽうAM5赤道儀で採用されている波動歯車というのは精度そのものはそれほどでも無いのですがバックラッシュがないのでフィードバックが適切であれば天体の追尾も高精度におこなえるというシステムなのです
高精度の追尾をするためにはオートガイドとの組合せがこの赤道儀を用いるときの大前提となるのです
でもバランスウエイトが不要(=バランス調整が不要)であることや、それほど精密な極軸(設置)調整が不要であるなどメリットはとても大きいです
架台と三脚のみの質量だと実は前回紹介したOnstep化GP赤道儀よりも(ほぼバランスウエイト分が)軽量です
搭載可能質量がGP赤道儀より大幅に大きいのに架台質量が軽量なのは驚きです
ZWO社謹製なのでASIAIRとの組合せで極軸合わせ、プレートソルブによる自動導入、オートガイド、ライブスタックによる撮影など多彩な電視観望が可能です
もちろんWindowsとの組合せでSharpCap+StellariumといったアプリでASIAIRと同等の電視観望が可能です
いずれの組合せでもとても安定した制御ができて、安心して使用できます
スタパの使い方では途中で別の鏡筒に変更して使用することがわりと多いのですが、バランス調整が不要なので軽量級から重量級まで気楽に載せ換えができます
国産の重厚長大路線の赤道儀とは少し発想の異なる、腰の弱い高齢者には優しい機種と言えます