古人が見た星座の秘密 その11

今日は曇りのち晴れ、雲はやや多めでしたが穏やかな天候になりました。

スタパ周辺は新緑が最高の季節になっています。

昆虫たちも元気に飛び回る季節ともいえます。

さて「古人が見た星座の秘密」シリーズがまだ続きます。

3.星の並びでない星座(続き)

3-2. 星団が星座になった「かみのけ座」

かみのけ座は暗い星ばかりで見つけるのも難しいですし、星の並びが特徴的なわけでもないマイナーな星座です。

でもかみのけ座はとても古くからある星座で、しっかりした神話も残されています。

エジプト王のプトレマイオス3世の王妃ベレニケはとても美しい髪の持ち主だったのですが、王の遠征のおり無事を祈って髪を神に捧げたのだそうです。

祈りは聞き届けられ、王は無事帰り、髪は星座になったということで、星座絵ではロングのウイッグのような姿が描かれています。

かみのけ座はうしかい座のアルクツールスとしし座のデネボラとりょうけん座のコルカロリで作られる三角の中にほぼ収まっているのですが、3個の4等星で結ばれた星座の線から「かみのけ」を連想するのはかなり難しいです。

でも実際に星空を見上げると、この三角の中にはMel(メロッテ)111というとても大きな散開星団があって、本当にモヤモヤと髪の毛があるように見えるのです。

これを双眼鏡で見ると下の写真のようにパラパラと星が散りばめられているように見えます。

肉眼ではパラパラというよりもモヤッと星雲状に見えるので髪の毛が連想されます。

古人にはかなりハッキリ見える存在で、この大きな散開星団そのものを「髪の毛」と見立ててかみのけ座が作られたのではないかと思えるのです。

ですからかみのけ座では星座線を引くこと自体ナンセンスな気がしてきます。

かみのけ座を構成するこの散開税団はあまりにも大きくてメシエカタログ(=M天体)にはならなかったのですが、のちの研究でこの星群が散開星団であることがわかり、メロッテカタログ(=Mel.)に登録されています。

かみのけ座は散開星団が主役になっている唯一の星座と言って良いのではないかと思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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