初めての望遠鏡はこれがお奨め その5

今日は晴れのち曇りのち雨・・・・

昨日はあまり良い予報でなかったわりに今朝まで好天が続いてくれたので良しとしたいと思います。

一日空きましたが今日も「初めての望遠鏡・・・」シリーズを進めます。

「初めての望遠鏡はこれがお奨め」

3.お奨め望遠鏡紹介

これから望遠鏡を買いたいと思っている初心者の方の購入動機として予想以上に多いのは「望遠鏡で天体写真を撮りたい」というリクエストです。

でも、スマホで望遠鏡を覗かせて月の写真を撮るくらいなら、これまでに紹介した機種でもわりと簡単に写すことができるのですが、星雲星団や土星の輪をそれなりのクオリティーで撮影しようと思うといきなりハードルが高くなってしまい、相当本気にならないとダメです。

初心者には扱いづらいと敬遠されることの多い赤道儀により追尾が必須になります。(赤道儀である必要はないですが自動追尾は必須です。)

また撮った後の画像処理も必須ですので、パソコンのスキルも要求されます。

ただ赤道儀の使い方や、望遠鏡にカメラを取り付けての写真の撮り方、画像処理の方法など一つ一つはそれほど難しいものではありません。

各機器の取扱説明書やネットの記事などを見て地道にスキルを身につければ中学生くらいの理解力でも充分対応可能だと思います。

天体写真向けの望遠鏡をメーカーのカタログモデルから選ぼうと思うと、どうしても高級モデルの組み合わせになってかなり高いもの(実売20万円以上)になってしまいます。

ここでは鏡筒と架台を別々に購入するのは初心者にはハードルが高いと思いますので、入門用と割り切って10万円前後で購入できるショップモデル(望遠鏡ショップがセレクトしてセット販売している機種)を紹介します。

入門用と割り切るというのは、その先にもの凄くディープな世界があるので基本をマスターするための価格重視の最低限のチョイスであり、最高を目指した選択ではないということです。(プラス私の独断と偏見に満ちていることをご理解下さい。)

3-4.お奨め望遠鏡(その4)
テレスコープセンター アイベル扱い
ビクセンED80Sf+セレストロンCG-4赤道儀
(1軸モータードライブ、極軸望遠鏡付)

前節で紹介したポルタⅡED80Sfのポルタ式架台を安価な赤道儀に置き換えたものですので本体部分の実売価格としてはそれほど違いがありません。


画像はアイベル ウエブサイトより拝借しています。

セレストロンCG-4赤道儀(以下CG4)は中国のOEMメーカーの製品でスカイウォッチャー社や米国オライオン社などで同型の製品を販売しています。(かつてはビクセンでもほぼ同型の製品を販売していました。)

最近では珍しい基本手動の赤道儀ですが、赤道儀の使い方や機能を理解するには必要十分で、1軸モータードライブと極軸望遠鏡を用いた赤道儀のセッティングである程度精度の高い自動追尾ができます。

望遠鏡を載せる赤道儀としては小型な方ですので、鏡筒の短いED80Sfとの組み合わせでは赤道儀のわりにはかなり取り回しが容易です。

アポクロマート設計の対物レンズですので、写真性能もとりあえず満足できます。

ただマニア的視点で見るとこれで天体写真が撮れるのか?と少し心配になるレベルです。
コンテストが狙えるような写真を撮るとなれば(カメラは別で)さらに倍以上の投資をしないとダメかも知れません。

でもこちらをご覧下さい。

この写真は
鏡筒:タカハシFC65(D=65mm,f=500)直焦点
架台:ビクセンスペースボーイ赤道儀(CG4とほぼ同型)
1軸モータードライブ付、極軸望遠鏡なし
カメラ:オリンパスOM-D E-M10
ISO12600 6秒露光
という構成で撮影(1枚撮り)したものです。

鏡筒がED80Sfではありませんが比較的近い仕様の光学系ですので、似たような写真を撮ることが可能です。

オリオン大星雲は全ての星雲星団の中でも特別写りの良い対象ですが、初心者的にはこれだけ写ったかなり嬉しいのではないでしょうか?

さらに上記の画像と同じ条件で80枚ほど連射をして、それをパソコン上で画像処理(コンポジット合成)をした画像がこちらです。

従来は長時間天体を精密に追尾して長い露光時間で光を蓄積する撮影方法が一般的でしたが、最近の天体写真撮影技法の一つとして短時間露光の画像をたくさん合成して、長時間露光と同等の効果を得るようにする処方が確立されてきました。

PCでの画像処理スキルを身につければ、高価で精度の高い機材を使用しなくても撮影が可能で、とりあえずそれらしい天体写真が出来上がります。

できるだけ安価に星雲星団の天体写真を撮り始めるための初めの1台に最適と思います。
またCG4は眼視観測用と割り切ればもう少し大きな鏡筒を使用しても充分使えますし、一度赤道儀の使いこなしができてしまうと、経緯台には戻れなくなるほど快適に星を観察できるようになります。

将来的にもっと凄い写真を撮りたいと機材をグレードアップしたとしても、鏡筒、架台ともに使い勝手の良いサブ機として活躍してくれると思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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