今日もグヅ付いた天候・・・・。
あまりの天候の悪さに外に出ることも少ないのですが、いつの間にかスタパ周辺はスッカリ紅葉シーズンです。
さて今日も望遠鏡入門講座を続けます。
第二章 望遠鏡の光学系
2-2.屈折望遠鏡
1)アクロマート式
2)アポクロマート式
前節で紹介したアクロマート式は2つの波長の光について軸上の色収差をなくすように設計されています。
古典的光学ガラスでは2色以上の光に対して色収差をなくすことが難しかったのですが、今日ではフローライトやED(超低分散)ガラスなどの素材を用いることにより3色以上の波長に対し色消しをすることが可能になっています。
写真はフローライトを使用した対物レンズの例です。
厳密には軸上収差をなくす設計を「アポクロマート」式といいますが、最近では3色以上の収差補正をした設計をアポクロマートと呼ぶことが多いようです。
アクロマート式の望遠鏡で高倍率にすると、星の周辺に青ハロと呼ばれるにじみが出てしまうのですが、アポクロマート式の望遠鏡だとこの「にじみ」がほとんど見られず、スッキリした感じに見えます。
個人的には一度アポクロマート式を使ってしまうとアクロマート式には戻れなくなってしまう感じです。
ただしアポクロマート鏡筒の場合、色収差が少ないのを良いことに少しでもコンパクトにし、かつ写真撮影向けにF値を小さくする設計のものが多いです。
確かに色収差は少ないのですが、アクロマートでもF値を大きくして色収差以外の収差も少なくなるよう丁寧に設計されたものと較べると見え味が劣る場合もあります。
3)その他の屈折式
眼視用の天体望遠鏡の場合、より暗い星をいかに高倍率で見るかというところに重点が置かれます。
このため光学系の透過率の高さが必要で、かつ中心像の鋭さが求められるので、複雑な光学系(たとえばカメラレンズのような)ものはあまり好まれません。
でも天体写真を撮るための望遠鏡は必要ですし、眼視でも天体写真でも使いたい(フォトビジュアルといいます)場合もあります。
天体写真を撮るためには中心像だけ鋭くてもダメで、フィルムや撮像素子などの端までフィルムなどの解像度に見合った像を結ぶことが求められます。
このタイプの望遠鏡には、対物レンズと接眼部の中間に像面を平坦化したり周辺像を改善するための補正レンズを組合わせることが多いです。
一般には「ベッツバール型」と呼ばれることが多いですが、メーカーによって様々な呼び方があるようです。