天体望遠鏡入門講座 第二章 2-4

今日も雨のち曇り、22時過ぎに何とか雲は切れたのですが透明度が今ひとつでした・・・。

あまりのスタパ前の畑の向こうにある防風林のカラマツもいつの間にか黄色味をおびてきました。

今日も望遠鏡入門講座を続けます。

第二章 望遠鏡の光学系

2-1.ガリレオ式とケプラー式

2-2.屈折望遠鏡

2-3.反射望遠鏡

1)反射望遠鏡の歴史

凸レンズ光を屈折させて集める屈折望遠鏡に対し、凹面鏡で光を反射させて集めるのが反射望遠鏡です。

望遠鏡が発明され当初はシングルレンズの屈折望遠鏡しか無かったのですが、前節で説明しようにシングルレンズだと色収差が大きく、色収差を少なくしようとすると口径に対してもの凄く長い焦点距離にする必要がありました。

当時の天文学者達は競うように長い望遠鏡を作り細かい観測ができるようにしたのですが、天才科学者アイザック・ニュートンは「屈折させるから色収差が出るのだから、反射させれば色は出ないよ・・・」と反射望遠鏡を自分で作ってしまいました。


(こちらはニュートンが自ら作成した世界最初の反射望遠鏡のレプリカ)

反射望遠鏡の出現で天体観測の精度が大幅に向上するようになります。

ただ、当時の鏡というのは現在のガラスにコーティングをする物とは違い、金属の塊の一面を平滑に磨いて鏡面反射を得るものでした。

金属面はきれいに磨いてもわりとすぐに曇ってしまうので、大型の望遠鏡を維持するのはもの凄く大変だったようです。(高精度に焦点が出るように磨き直すのはとても難しいのです。)

その後、アクロマート式の屈折望遠鏡が発明され望遠鏡の主役は屈折式に奪還されます。

でも凹面に成形したガラス面に鏡面コーティングをする技術が確立され、さらにそのコーティングが長期間曇らないよう保護する技術も進んで来ました。

口径1mを超えるレンズは均質に作ることが難しいうえ、望遠鏡の向きによってたわみが生じ性能が発揮できにくくなるようです。

一方、反射望遠鏡はガラス内を光が通過しないですし、たわみについては反射面が1面であるため外部から形状を補正することも可能です。

このため、今日では大型(口径30cm以上)の望遠鏡は圧倒的に反射式が多くなっています。

また、小口径でも屈折式よりも安価で大きな口径の望遠鏡を作ることができるため、アマチュア向けの製品もたくさん販売されています。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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