今日は曇りのち雨。
この季節だというのに台風の影響というのはちょっと困ったものです。
さて天体望遠鏡入門講座シリーズ、いよいよ最終章に入ります。
第四章 架台
架台については1-6で簡単に解説していますが、ここではもう少し詳しく解説します。
どんなに優れた光学系の鏡筒を使用しても充分に剛性を確保した架台に載せないと、しっかりした観測はできません。
架台には大きく分けて「経緯台」と「赤道儀」がありますが、以下にそれぞれの詳細を紹介します。
4-1. 経緯台
「経緯台」は望遠鏡を載せる架台として、もっとも簡素で基礎的なものです。
一口に「経緯台」といっても様々な形状や方式があります。
上は小型望遠鏡の経緯台の例ですが、上下・水平の2方向に鏡筒を振ることができるようになっていて、初心者でも直感的に望遠鏡を操作しやすいです。
ガッチリしたものであればカメラ三脚でも代用ができます。
高倍率で使用したいときには日周運動で星がドンドン視野内を移動して行くので、ほんの少しずつ望遠鏡を動かすための微動装置がついていると便利です。
上は微動装置のついた架台の例(スコープテック製アトラス60)ですが、鏡筒が天頂方向に向くに連れてバランスが手前に偏るので、固定のためのクランプネジが必須になります。
鏡筒を大まかに観察する天体に向けてクランプで固定してから微動で微調整をするという手順が必要になります。
上は「片持ちフォーク式」(ビクセン製ポルタ式架台)ですが、全方向で鏡筒のバランスがとれるので、クランプレスのフリーストップ式(ある程度の堅さで鏡筒が保持されていて任意の方向に向けて手を離したところで止まる)で微動装置もついています。
上は「フォーク式」(ミード製LX200シリーズ)です。
経緯台でありながら、コンピューター制御で自動追尾・自動導入ができるようになっています。
ハワイのすばる望遠鏡も同じような経緯台式を採用しています。