今日は晴れのち雨、相変わらず天候は不安定です。
夕方には虹が見えましたので、そろそろ季節の変わりめというサインかも知れません。
さてETX-90シリーズ、そろそろネタ切れが近いですが今日はETX-90でどんな天体を見たり楽しんだりできるかについてお話しします。
ETX-90は口径90mm、焦点距離1250mmで口径比F13.8と反射式としては暗めのF値となっています。
このためどちらかというと低倍率よりも高倍率が出しやすい設定と言えます。
通常、有効最大倍率は口径mm数の2倍と言われていて、ETX-90の場合は7mmの接眼レンズを使用すると179倍となります。
この口径でこの倍率になると木星や接近時の火星の表面模様を観察することができます。
土星は輪を見ることはもちろん、輪の外側の方にある隙間(カッシーニの空隙と呼ばれています)を輪の両端部分で観察することもできます。
いずれもしっかりしたブレのない架台で、しっかりピント合わせを行い、充分に注意深く注視する必要がありますが、写真のように見えます。
写真は白黒で撮影していますが、肉眼で高倍率では実際のところ赤っぽいとか黄色っぽい位は見えますが模様の色の違いまでは見えにくいです。
月はまず25~30mmの接眼レンズで見ることを奨めます。
月の全体像を把握できるからです。
必要に応じ倍率を上げて細かい部分を観察します。
100倍以上で見る月はユラユラ揺らめいて見えるかも知れませんが、上の写真とは比べものにならないほど驚くほど細かいところまで見え、変化に富んだ様々な地形にはきっと息を飲むほどだと思います。(上の写真はETX-90で撮影したものですが、肉眼で見た方がズッと細かいところまで見えます。)
何度見ても見飽きることがないほどだと思います。
月や惑星は充分に明るさのある天体なので都会でも充分に楽しむことができます。
高倍率が得意な望遠鏡なのでぜひ試して頂きたいのが二重星の観察です。
(申し訳ないですが二重星についてはETX-90で撮影した写真がないので、テキストだけでの解説です。)
こと座ε(通称ダブルダブル)はベガの近くにある有名な二重星で、双眼鏡でも容易に見えるε1とε2の二つの星なのですが、そのそれぞれが2.4秒ほどの離角の連星です。
良くできた屈折望遠鏡ならば口径6cmくらいでも見ることができる、見つけやすくて見やすい二重星ですがETX-90でも良く見えます。
うしかい座ε(通称プリケルマ:最も美しいものの意がある)も美しさを楽しむ余裕はないですが、何とか分離することができます。
入門書などで紹介される小望遠鏡向け二重星は概ね分離して見ることができると思います。
二重星も位置さえ分かって導入が出切れば都会でも充分楽しむことができるので、望遠鏡で星空さんぽをするときのレパートリーに加えておくと、一層楽しさが増すと思います。
(続く)