晩秋・・・
空気が澄んで、遠くの山もキリリと写ります。
まだ黄葉は見ごろですが、すっかり葉を落とした木も目立ち始めました。
さて超入門シリーズ、今日も「接眼レンズについて」の続き・・・、
今日は「接眼レンズの仕様について」です。
20~30年前まで流通している接眼レンズの種類というのはわりと限られて
いて、オルソ(Or)とか、ケルナー(K)など、どのメーカーも同じような仕様の
レンズを販売していました。
このため接眼レンズ選びにはそれほど苦労せず、メーカーを変えるくらいしか
選択肢がありませんでした。
ところが最近は、メーカーごとに異なるレンズ構成の接眼レンズを販売して
いるので、どのレンズを買ったらよいのか初心者には全く分かりにくくなって
います。(昔からのOrやKも販売はされていますが・・・)
覗きやすさとか、視界の広さ、像のシャープさ、価格など、どこを重視した
設計にするかによってそれぞれのメーカーが工夫を凝らしているので分かりに
くくなってしまっています。
ここでは接眼レンズを選ぶときに特に重要な仕様について解説します。
1.焦点距離
望遠鏡の倍率は 対物レンズの焦点距離 ÷ 接眼レンズの焦点距離 で求まり
ます。
つまり1台の望遠鏡で倍率を変えるときは焦点距離の異なる接眼レンズを
付け替えて行います。(ズーム式の接眼レンズもあることはありますが・・・、
これについてはいずれ詳しく説明します。)
接眼レンズの焦点距離が長いほど低倍率、短いほど高倍率になります。
2.見かけ視界
接眼レンズを明るい方向に向けて覗くと、レンズの中に「視野円」と呼ばれる
白い丸が見えます。
視野円の大きさを見張り角の角度で表したのが見かけ視界です。
見かけ視界が大きいか小さいかで倍率は同じでも見える範囲は全く違ってき
ます。
上はどちらも焦点距離が40mmの接眼レンズです。
左がドイツサイズ(24.5mm径)のアクロマートハイゲン(AH)という形式で、見かけ
視界は30°程度。(24.5mm径だとレンズの大きさが限られこれ以上見かけ視界を
大きくできません)
右が2インチサイズでペンタックス製のXL40というレンズで、見かけ視界は
65°です。
実際に覗くと・・・
倍率は同じなのに、驚くほど見える範囲が違います。
同じ見かけ視界なら倍率に比例して見える範囲(実視界)が変化しますが、
見かけ視界が異なれば、倍率は同じでも実視界が変化します。
倍率は同じでもできるだけ見かけ視界が広い方が実視界が広がり、望遠鏡が
扱いやすくなります。
昔からある接眼レンズの見かけ視界は40~50°程度ですが、今日では60°から
100°以上まで様々な見かけ視界の接眼レンズが流通しています。
3.アイレリーフ
接眼レンズはレンズごとに覗くのに最も適した眼の位置があります。
この接眼レンズ後端と眼の距離をアイレリーフといいます。
昔からある接眼レンズの場合、アイレリーフが焦点距離の0.7倍程度になるので
焦点距離が5mmくらいになると、眼がくっつくほどに近づけないと視野全体を
覗き込むことができなくなります。
アイレリーフが長ければ覗きやすいですし、眼鏡をかけたままとか、バッチリ
メイクをした女性でも気軽に覗くことができます。
最近では短焦点の接眼レンズでもアイレリーフの長い(15~20mm)のレンズが
たくさん販売されています。
アイレリーフが長くても短くても、適切なアイレリーフの位置に眼を置かないと
視野全体を見渡すことができなくなります。
上は先ほどのXL40で適切な位置と、少し離したときに見える範囲が狭くなる
状況を示しています。
続く・・



