ホントに超入門 「望遠鏡の使い方」-28:望遠鏡は夜露に濡れる

この週末は好天が続き、新月前後ということもあり、たくさんのお客様に

星空を堪能頂くことができました。

個人的には星景写真など撮りたかったのですが・・・(-_-)
さて、超入門シリーズ、今日は「望遠鏡は夜露に濡れる」です。

望遠鏡を(もちろん屋外で)使っていると、なんか良く見えないなあ・・・
ということがよく起こります。

そんなときはほぼ間違いなくこれ・・・

レンズに夜露が付いて曇りガラスになっています。

いわゆる「夜露」がレンズについて、レンズの働きをなさなくなっている
というわけです。

一晩天頂方向に向けたまま外に出していた反射望遠鏡を見たら、反射鏡(凹面鏡)
に水がたまっていた・・というような強烈な夜露が発生することもあります。

その日の風や湿度、気温などで結露するときと、全然しない日があるので
何ともいえないのですが、「望遠鏡は夜露に濡れる」ものであることを覚えて
おいて下さい。

夜露というのは、氷の入ったグラスの外側に着く結露と同じで、気温よりも
低い温度の部分に空気が触れると、空気中の水蒸気が液化してしまうために
発生します。

ですから、気温よりも望遠鏡の温度が高ければ結露は生じませんし、空気が
充分に乾燥していればやはり結露することはありません。

レンズにカイロを巻き付けたり(2月10日紹介)、ヒーターを巻き付けたりして
対策をする方法もあり、国際光器さんなどの望遠鏡ショップで各種ヒーターを
扱っています。

ただ、温度を上げる方法は若干ですが望遠鏡近傍の気流を乱すことになり、
本当に精密な観測の場合には適切でないという人もいます。

もっと進んだシステムとして、気温と同じ温度の乾燥空気を常時レンズに
吹きつけ続ける方法を実践されているかたもいます。

また、これからの寒い時期、接眼レンズに息を吐きかけただけでレンズが
曇ってしまいますし、アイレリーフの短い接眼レンズでは目を近づけて覗いて
いるだけで曇ることもあります。

夜露は夏、冬関係なく、その日の気象条件で着きますので対処方法を身につけて
おく必要があります。

さて、不幸にもレンズが夜露で曇る、あるいはびしょ濡れ状態になってしまった
ときはどうするかですが・・・

間違っても、そこらにあるハンカチや布で拭いてはいけません。

結露と一緒にレンズ面に砂埃が着いていることも考えられます。

砂埃が着いた状態でゴシゴシ拭いたらどうなるか・・・ 説明しなくても
分かりますね。(^_^;)

結露してしまったときに一番良いのは、自然乾燥。

ただし寒い屋外から一気に暖かな室内に持ち込むと、よけいに結露がひどく
なりますので、焦らず時間をかけて温度順応させてやる必要があります。

次に(これは自己責任ですが)私が常用しているのはヘアードライヤーで
暖める方法です。

あまり急激に暖めすぎたり、部分的に熱くしすぎたりすると光学性能を損なう
場合があるので、焦らず、ゆっくり、まんべんなく乾かしてやるようにします。

また暖めすぎれば気流の乱れを起こしますので、少しよけいに暖めて次に結露
するまでの時間を稼ごうなどと思わないほうがよいです。(^_^;)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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ホントに超入門 「望遠鏡の使い方」-28:望遠鏡は夜露に濡れる への3件のフィードバック

  1. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、つい先ほど夜露とは全く別の理由で望遠鏡が水に濡れてしまいました。原因は、ゲリラ豪雨。ははは…(^_^;)。望遠鏡はC9です。補正板や主鏡の接合部を分解したいのですが、どうやらこのC9というヤツ、セルが接着剤でガチガチに固定されていて、剥がせないだとか、トホホです。

    しかし、しかしです。考えてみればシュミカセの補正板などはもともと結露するものであるし、冬場の強烈な夜露に比べた明らかに濡れた程度は軽そうだからいいや、と思い今ひたすら自然乾燥しています。一応補正板から鏡筒 内を覗くと、主鏡も補正板の表面、裏面ともども被害は被っていなさそうに 見えます。

    そう、これからの季節、晴れてても油断できませんよ〜。特に最近のゲリラは上空なんの前触れもなく突然やってくる。 運ですね。運が悪いとほんの数秒で悲惨な状況になります。

    ゲリラ豪雨、今の時代の新たな恐怖です。

  2. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま
    ゲリラ豪雨の被害、お見舞い申します。
    甚大な被害でなかったことが不幸中の幸いですね。
    でも雨の中の撤収作業を想像するとその時の精神的な残念さ加減は同情に堪えません。
    スタパは山の中にあるので、気候の変動はかなり激しく、天文ドームを少し離れているうちに
    雨の洗礼を行けたことが何度かあります。
    ちょっとした油断なのが原因ですが、最近は30分以上ドームを離れそうな状況の時は
    撮影中などの事情がない限りスリットを閉めることに(自分の中でルールを決めて)しています。
    温度順応を考えると好ましくないのですが、機材を守る方を優先しています。

  3. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、ありがとうございます。「温度順応より機材保護を優先」、そのお考えに激しく同意します。
    今回は、多くの(初心者の方を含め)天文ファンに向けて私の体験を語ろうと思い、この危うい経験を書かせていただきました。

    もちろん夕立というのは昔からありました。しかし以前は前触れとして空が全体的に暗くなってきたり、あるいは雨の匂いがしてきたり、自然が危機を教えてくれていたと思います。でも、最近のものは、「ゲリラ」の文字どおりほどんど前触れが感じられません。9割がた晴れている空の中にほんの少しの面積の黒い雲が登場し、その雲か容赦なく雷やら豪雨やらが地上に降り注ぎ、あっという間に去って行くといった感じです。
    今回も木星を見ていたのです。そうしたら頭の真上に黒い雲があっという間に出てきて、上空から激しい雨が・・・・・。ただ木星を見ていただけなのになんで、という、オーナー様おっしゃるようにその残念感たるや筆舌に尽くしがたいものを感じました。あの晩悔しさでほとんど眠れませんでした。

    私の観望場所は首都圏にある自宅ですが、貴ペンションは自然の只中の佇まいですので、私などよりもはるかに多くのご経験をお持ちと思います。オーナー様の今回のご意見で、私の危機管理意識が、より厳重なものになったと思います。

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