AM5がやって来た  その14 眼視の後に電視

今日は曇りのち晴れで夜は満天の星になりました。

夕方、夕焼けが綺麗でした。

さて10月19日の夜も良い天気で、この日は久々の好天でいろいろ楽しみました。

まずはAM5赤道儀にスコープテック社製アトラス60の鏡筒(D60/f800)と笠井トレーディング扱いPico8(D80/f800)を載せて眼視での見え方比較。

AndroidタブレットのWi-Fi接続で天体の導入をして見比べます。

ここで問題発生・・・

どちらも焦点距離800mmで接眼レンズが同じなら倍率も同じになるはずなのですが、どう見てもPico8の方が大きく見えます。(=当然視野も狭い)

どうもマクカセの光学的仕様上天頂ミラーを用いて筒外に焦点を引き出すと焦点距離が長くなってしまうようです。(感覚的には1.3倍くらい倍率が高くなります。)

まあそういうものだと割り切って見え方比較を進めました。

このPico8、以前から口径の同じ80mmの屈折望遠鏡と比較すると明らかに見え方が劣っています。

もちろんとてもコンパクトで小さめのカバンでも持ち運びができる機動性を考えると多少の性能差に目を瞑ることはできます。

で、80mmと較べるのは可愛そうとして、60mmとならどうなの? というのが今回の趣旨です。

結論から言うと60mmの比較的出来の良い屈折アクロとまあまあ良い勝負の見え方でした。

微光星の見え方と可搬性を考えたらPico8の勝ち。

高倍率でのキレの良さは60mmアクロの勝ちといった感じです。

Pico8は口径80mmですが、60mm程度の見え味と割り切って使えば楽しい望遠鏡です。

さてお題が「AM5」なのに出番が無いですが、この夜は眼視観望の後に先日ビクセンのハーレーマルチ70Sで電視をしたときにあまりに冗談のような星像だったので、ウイリアムオプティクスのZenistar66SD(D66/F388)でのテスト撮影をしました。
(Zenistar66+0.5レデューサー+CLSフィルター+Neptune-CⅡにて撮影)

眼視用鏡筒から電視用鏡筒への換装ですが、AM5はバランス調整の必要がないのでかなり気楽です。

換装に危険のない向きであれば深く考えずに鏡筒の取り替えができてしまいます。

Zenistar66自体写真用の鏡筒でないのとレ31.7mm径の安いデューサーを使用しているので素晴らしいと言える星像ではないですが、少なくとも星が丸くなるので吉とします。

がちな天体写真でなく、電視観察を楽しむレベルであれば許容範囲内と思います。

フィルムカメラ時代にはとても撮れなかった天体がいとも簡単に写ってしまうので、ついつい思い入れのある天体を何度も写してしまいます。(上はまが玉星雲の一部です)

せっかく撮ったのだからブログにアップしないのはもったいないし・・・

そんなわけでいつものアレですが・・・何か?

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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AM5がやって来た  その14 眼視の後に電視 への7件のフィードバック

  1. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、

    私もpico8は以前使っておりました。同時に持っていたボーグ76mm短焦点アクロとみえ味を比較したこともあります。
    やはり短焦点とは言え、76mm屈折と比較すると叶わないなあと言う感想でした。遮蔽のある光学系ですので、まあ仕方ないかなと言ったところです。
    しかしpico8のコンパクトさは、他には無い大きな魅力ですね。

    少し脱線しますが、今所有しているアトラス60と、ラプトル60の比較だと、なぜか焦点距離の短いラプトルの方が良く見える気がします。原因は個体差だろうと思いますが、ラプトルは、4mmアイピースで175倍でもきちんとピントが出ます。土星などではもちろん暗くなってしまいますが、それでもきちんと結像していることは分かります。口径6cmの屈折望遠鏡では、眼視性能は最高レベルでは無いかと言って過言では無いように思います。

    一般的にはアクロマートの場合は、口径が同じならばより焦点距離の長いものが推奨されますが、この2機種の場合、F11.7と、F13.3ですので、Fが11前後以上になれば、アクロマートであってもF値による性能差はさほど気にする必要はなく、それ以上に個体差による影響が強いのかなと。もちろん口径がより大きい、8〜10cmくらいのアクロマートであれば、このくらいの差でもより長焦点の方がよく見えると言えるのかもしれませんが。

  2. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま
    ありがとうございます。
    Pico8は小ささが取り得の望遠鏡と割り切って使えば楽しいですね。
    うちのラプトル60とアトラス60はそれなりの見え方です。
    アトラス60と、ラプトル60の下克上は面白いです。。
    個体差かも知れませんがラプトル60の当たりが引けたのでしょうかね。
    実際に自分の眼で見比べて違いがわかるのも楽しいですね。

  3. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、
    今日、10月26日は晴れて透明度抜群です。

    こんな日はマクストフカセグレンで、この季節M42がとても綺麗に見えますね。
    マクストフは、補正板が大きく凹弯しているため、鏡筒内の内面反射による反射光が接眼部にほぼ入らないためか、背景が漆黒に抜けて対象のみが浮かび上がる感覚が楽しめます。
    屈折とはまた違った独特の視野が楽しめますね。

  4. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま
    なるほど・・・、マクカセにはそういうメリットもあるのですね。
    どちらかというと(例えばニュートンやシュミカセと較べ)F値が大きめで低倍率が不得意なため星雲星団向けでは無いような気がするのですが、実はコントラストが高いのですね。
    同じ理由で惑星向きでもあるのですね。

    実は昨日このコメントを頂いていたので昨晩M42を15cmマクカセで見てみました。
    なるほど、なるほど星雲が驚くほど大きく広がっているのが見え、その中で輝くトラペジウムの星々の色の違いまで見えるようでした。
    マクカセでの星雲星団巡り、ちょっと九瀬になるかも知れません。(笑)

  5. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、

    おっしゃるように、マクストフは屈折に比べて倍率がどうしても高めになるので、それもコントラストを上げる一因になっているのかもしれません。

    確かにマクストフで見るトラペジウムは一つ一つの星粒がとても美しいですね。私個人としては100倍前後の倍率で、視野いっぱいに広がる青雲とその中に浮かび上がるトラペジウムの対比がとても好きです。

    これからの季節、このM42をはじめ、2重星団、スバル、ぎょしゃ座の散開星団トリオなど、短焦点の屈折や双眼鏡でも楽しめる青雲星団の観望好機が続きます。

    さらに今年に関して言えば、これからの季節、マクストフカセでM42を楽しむと同時にさらに倍率を上げて火星も楽しめるようになってきます。青雲星団も楽しめ惑星の高倍率にも強いマクストフカセを使うには、うってつけですね。

  6. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、

    一昨日と昨日2夜にわたり、28cmシュミカセと18cmマクカセで惑星とトラペジウムを見比べてみました。架台の関係でサイドバイサイドで比べたわけではないので、参考程度の話になります。

    一昨日と昨日でシーイングはほぼ一緒でした。木星の淡い表面模様と土星は圧倒的に28cmシュミカセです。横綱と前頭筆頭くらいの差と言ってもいいかと思います。特に土星では顕著で、シュミカセでは400倍でも明るさ、解像力ともに全く衰えることは無いのですが、マクカセでは270倍を上限にして明るさ、解像力が低下して行きます。土星ははっきり口径差が出ますね。

    ところが火星では状況が一変します。18cmマクカセの方がシャープです。一昨日と昨日、大シルティスを観望していたのですが、模様の濃さ、周辺まで含めた模様の解像力はマクカセに軍配が上がりました。同じ10mmのアイピースで(シュミカセは280倍、マクカセは270倍)、比較しました。火星のように明るく、地表を見る対象ではマクカセは非常にシャープに見えます。

    木星、土星のように大気のガスの流れを見る時は口径の大きなシュミカセ、火星のように大地を見る場合は口径よりもシャープさに勝るマクカセが有利なのかなと思いました。

    トラペジウムですが。28cmシュミカセでは5星、18cmマクカセでは4星見えます。これは単純に口径さでしょう。しかし星像がマクカセの方がシャープです。トラペジウムの一つ一つの星がシュミカセよりもずっと小さく引き締まります。トラペジウムだけではなく、恒星ではピントを合わせてゆくとどんどん星像が小さくなってゆくのがマクカセ、ある程度のところが限界点なのがシュミカセのような感じです。シュミカセの焦点像は外周がガサつき、あまり美しいものではありません。この傾向はマクカセでも同じです。ここが屈折と大きく異なる点ですね。遮蔽のある反射系の望遠鏡ではやむを得ないことだと思います。しかしシュミカセとマクカセを比較すればマクカセの方がピントがシャープで、より小さい星像が楽しめるように思います。

    今年は木星、土星、火星が一晩で見えるので、異なる光学系での比較観望に適していますね。

  7. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま
    光学系と天体の違いによる見え方の詳細なレポートを頂きありがとうございます。
    とても参考になります。
    シュミカセとマクカセの見え方の違いがわかりとても興味深いですね。
    ありがとうございました。

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