ASI678MCがやって来た その2

今日は素晴らしく良い天候の一日。

気温もそれほど低くなく(0℃くらいですが・・)、快適な星見ができました。

さてZWO社のCMOSカメラASI678MC、昨日はあまりにシーイングが悪く評価できるような画像が撮れなかったのですが、今日は少しまともでしたのでいろいろテスト撮影をしました。

昨日はピクセルサイズの話が中途半端だったのでもう少し詳しく書いておきます。

望遠鏡で天体を写すとき、映し出される画像のサイズは望遠鏡の焦点距離によって決まります。

スタパの40cm望遠鏡は焦点距離4000mmなのですが、これで焦点面に映し出される天体の大きさがどのようになるか調べてみました。

天体 : 視直径 :焦点面のサイズ
月  : 30’  : 34.9mm
木星 : 50″  : 0.97mm
土星輪: 43″  : 0.83mm
火星 : 20″  : 0.39mm

月に比べ惑星たちがビックリするほど小さいのが分かります。

さて次にCMOSカメラでこの惑星たちを撮影するとどうなるかですが、センサーのピクセルサイズが小さいほどたくさんのピクセルで構成される惑星が撮影できることになります。

例えば木星ならピクセルサイズが2.0μmのASI678MCだと直径が485ピクセルで写ります。

またピクセルサイズが2.9μmのNeptune-CⅡだと334ピクセルになり等倍比較では約1.5倍の比率になります。

惑星の撮影ではセンサーの画面一杯にして撮影すると無駄な黒い部分がデータ量を増やしてしまうので、最小限に切り取って撮影するのが一般的です。

このためセンサーサイズに関係なく、例えば800×600とか1280×800とかいった一般的なサイズで切り出して撮影するのです。

と、言うわけで随分前置きが長くなってしまったのですが、同じ切り出しサイズで撮像した場合の惑星の大きさの違いをご覧下さい。

まずはNeptune-CⅡでの木星、

そしてASI678MC、

同じくNeptune-CⅡでの土星、

で、ASI678MC、

色や精細感など好みの問題はあるのですが、画面上で拡大処理などしなくても、かなりいい感じの大きさに表示されます。

気流などの条件が良くなれば精細感などは差が広がるのでは無いかと思います。(そうであって欲しい・・・です)

大型モニターのほうにも結構な迫力で写ります。

Neptune-CⅡでもバローレンズなどを使えば大きく写すことはもちろん可能なのですが、
拡大すればそのぶん画像が暗くなるし、光学系が複雑になるぶん解像度も落ちます
また眼視との焦点位置のズレが大きくなって瞬時に切り替えて見比べるという
ハイブリッド観察の趣旨から外れます。

ASI678MCを導入すれば直接焦点でそこそこ大きな木星や土星の画像が得られるという所期の目標を達成できました。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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