さて、昨日紹介した「お気楽1号」いや、「Black galaxy Ⅰ」ですが、
このシステムのポイントはこのアイピース。
笠井トレーディングのWV-24mm(見かけ視界68°)です。
このアイピース、31.7mmのスリーブ径では最大の実視界が得られます。
焦点距離500mmの「お気楽1号」いや、「Black galaxy Ⅰ」(しつこい!)で
使うと21倍、実視界3.25°、瞳径5mmと、たいへんお手頃のスペックに
なるわけです。
2インチ径のアイピースなら同倍率でももっと広視界だったり、
もっと低い倍率にすることも可能です。
でも、そのためには2インチサイズの天頂ミラーや、31.7mmアダプターを
用意したりと、何かとシステムが重く複雑になりますし、
その割に視野周辺の像が乱れて快適でなくなったりと、あまり良いことは
なさそうです。
このアイピース、同等商品がテレビューや国際光器にもありますが、
コストは笠井が一番安くてお手頃です。(性能は知りませんが・・・)
68°と広視界ながら視野の7割くらいまでは良像、視野端でもそれほど大きく
像が乱れないのがよいです。
また、ブラックアウトやビーンズエフェクトの発生しづらい、
たいへんのぞきやすいアイピースです。
一番安い笠井でも14800円と決して安くないですが、持っていて損のない
レンズだと思います。
さて、「お気楽1号」に話を戻します。
「お気楽1号」の架台はたいへん旧式の安物望遠鏡に付いている赤道儀です。
もう40年以上前から同じ設計で作られている架台です。(今は中国生産?)
この赤道儀、極軸を直立させると経緯台として使えるので便利です。
赤道儀として使うには強度的に6cm屈折くらいが限度ですが、経緯台として
使う分には(バランスさえしっかり合わせてあげれば)、もう少し重くても
充分いけますので、「お気楽1号」には十分な性能といえます。
天頂付近も架台や三脚に干渉することなく振り回すことができるので、
お気楽観察には好適です。
低倍率が基本ですので、微動装置がなくてもそれほど困りませんが、
あって困るものでもありません。
何よりネットオークションなどでジャンク扱いなら5000円以下で入手できるのが
魅力です。
「お気楽1号」の実視界3.25°というのはオリオン座の三つ星がギリギリ入る
視野で、オリオン星雲を見ると小三つ星と合わせてすっぽり収まるといった
感じです。
ファインダーなしでも見たい対象の導入が何とかできるレベルの視野だと思います。
10cmありますのでスタパの空ではそれほど苦労せずほとんどのメシエ天体を
見ることができるはずです。
低倍率の望遠鏡で星を見る楽しみを少しでも多くのかたに知っていただけたらと
思っています。