月光浴の科学(サイエンス) -その6-

スタパ周辺ではコスモスが満開です。

気の早い広葉樹はすでに黄葉を始めていて、樹によっては見頃になっていたり
します。

 
写真はスタパのお隣の洋風雑貨のお店「ヒースガーデン」さんです。
スタパの庭はお見せできる状態でないので・・・
 

さて、「月光科学」の続きです。

前回、前々回と、高いところから射し込む光は有効に地面を照らすこと、
冬の満月が高く昇ることを解説してきました。

これは(かなり回りくどかったのですが)、冬の満月がとても明るく、
「月光浴」(おもに月光浴散歩=ムーンライトウォーク)に最適な時期で
あることを理解頂きたかったからです。

それでは具体的に夏至の頃と冬至の頃の満月の明るさが、具体的にどのくらい
違うのかを検証してみましょう。

前回の記事で夏至の頃の満月の南中時の天頂離隔は63°でした。
同様に、冬至の頃の満月の南中時の天頂離隔は12°でした。

これを前々回紹介した直射法線照度と入射角度から水平面の照度を求める式に
代入すると (ここでは直射法線照度を0.25 lx とします。)

夏至: 0.25×cos63°= 0.25×0.454 = 0.114 lx

冬至: 0.25×cos12°= 0.25×0.978 = 0.245 lx

となり、冬至の方が倍以上も明るいということがわかります。

さらに、実際の地上の照度は大気による光の減衰の影響を加味しなければ
なりません。

 

上の図で、①と②ではやはり倍の減衰効果があるわけですし、冬の乾燥して
済んだ空気と、夏の水蒸気たっぷりの霞んだ空気とでは、大幅に透過率が
異なります。

冬の透過率を95%程度とし、夏を90%としても、夏は高度か低く空気中を
倍の距離通過するわけですから90%の自乗が減衰率になります。

0.9×0.9=0.81

となりますと、

夏至: 0.114 × 0.81 = 0.092 lx
冬至: 0.245 × 0.95 = 0.233 lx

となり2.5倍も明るいということになります。

でも、明るさの差はこれだけではなく、まだまだ広がります。

次回をお楽しみに!

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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