月光浴の科学(サイエンス) -その7-

ブログに載せる風景などの写真は写りの良さから、どうしても好天の日の
ものが多くなりがちです。

まあ、勘違いされる方もいないとは思うのですが、もちろん天気の悪い日も
あります。

でも、天気が悪いなら悪いで、こんな墨絵のような世界を楽しむことができる
こともあります。

 

星を楽しみにして来られるお客様には申し訳ないのですが、そんなときには
開き直って、そんな楽しみ方を見つけて頂けるとありがたいです・・・

さて、「月光科学」の続きです。

前回は単純な計算で、冬至の頃の満月が夏至のそれより2.5倍も明るいという
お話をしました。

これは地面を単純な水平面と仮定しての話です。

でも実際の地面には凸凹もあり、木々や草も生えています。
(都会ではビルや家や車が・・になりますが)

満月が高く昇っているか、そうでないかによって地面の上の影の面積は
大きく違ってきます。

影の部分が多ければ見た目に明るいと感じませんし、実際の平均照度も
低くなります。

冬至の頃の高い満月と、夏至の頃の低い満月の影の長さは5倍近くも
違うので、視線方向と影の位置関係によっては、感覚的には数倍も明るさが
違うことになります。

さらに・・・

 

冬になれば、森の木々からは葉が落ち、広葉樹の多い森であれば人工光が
いらないほど明るくなります。

また、開けた野原では草も枯れ果てて地面には影ができなくなります。

さらに、さらに

 

雪が積もれば、地面の反射率が飛躍的に高くなり、見た目の明るさ感は
想像以上のものになります。

ちなみに雪の反射率は90%を越えます。通常の地面や植物の反射率は、
せいぜい30%程度ですから、視覚的に3倍以上の明るさ感が確保されることに
なります。

以上を総合的にみると、冬の満月というのは、理論値で2.5倍、感覚的には
かるく10倍から20倍も夏より明るいと考えてよいということになります。

さらに、さらに、さらに・・・

スタパが位置するのは八ヶ岳の南麓・・・、

そう! 南斜面なのです。 南斜面ということは、南中した月に対して、
より法線照度に近づくように地面が傾いているわけで、月の明るさを確保する
上で、絶好のロケーションということになるのです。

まっ、最後はちょっと悪のりの「おまけ」でしたが、冬の満月の明るさの訳が
良く理解頂けと思います。

いくら口で説明するよりも実際を見ていただくのが一番だと思うのですが・・・

それはもう、家の中にこもっているのはもったいないと思うほどの明るさで、
散歩でもしないと気が済まない(魂を揺さぶられるような)感じです。

ちょっと寒いですけどね・・・

さて、「月光科学」まだまだ続くのですが、これ、書くのにかなり気合いを
入れないと書けません(男弱で・・(m_m)・・)。

この先少し不定期になるかも知れませんので悪しからず・・・

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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