コンデジで天体写真を撮ろうⅡ(番外編-口径による写りの違い)

昨夜から今日にかけては久々によい天気。

 

夏空に入道雲が広がって「ニッポンの夏!」といった感じでした。

今日は久々に「コンデジで天体写真」シリーズ。

昨晩は雲が行き来したものの、透明度はなかなかのものでしたので、しばらく
棚上げされていた口径の違いによる写りの違いを検証してみることにしてみました。

ずいぶん間が空いたので「何のことやら」という方もいるかも知れないので、
簡単におさらいを兼ねて主旨を説明しておきます。

コンデジに望遠鏡をのぞかせて撮影する方式をコリーメート撮影方式と言います。

光学系が複雑になることによるデメリットも多いのですが、うまい具合に接眼
レンズを組み合わせると非常にF値の明るい超望遠レンズを作ることができます。

全光学系の合成F値は次のような計算式が成り立ちます。

 合成F値 = 合成の実焦点距離(mm) ÷ 望遠鏡の口径(mm)
  
  ただし、カメラレンズのF値 > 合成F値 の場合は

 合成F値 = カメラレンズのF値

合成F値を使用するカメラレンズのF値より小さくしても、カメラレンズの
F値以下にはできないという関係があります。(詳しくは「コンデジで天体写真を
撮ろうⅡ その5
」を参照して下さい。)

ただここで疑問が出るのは、焦点距離が同じで口径の違う望遠鏡を用い、小さな
口径の望遠鏡でカメラレンズのF値になるようにした場合と、大きな口径で
カメラレンズのF値以下になる(結果的には上の式からカメラレンズのF値に
なる)して撮影した場合、写りは同じになるのか?というところです。

理論的には露光量は同じで解像度が異なると考えられるのですが、本当は
どうなの?

というわけです。

手元にあった望遠鏡、口径120mm,f=600mm(F5)(ケンコーSE120)と
口径60mm、f=600(F10)(30年前のノーブランド多分ミザール製)で同じ接眼レンズ
(EF27mm、カサイ製)を用いて比較をしてることにました。
使用するカメラは例によってキヤノンPS-S95(広角側焦点距離6mm、F2.0)です。

それぞれの合成焦点距離は次の通りです。

口径120mm:
倍率  =  600mm÷27mm=22.2倍
合成焦点距離=6mm×22.2倍=133mm
望遠鏡側合成F値=133mm÷120mm=1.11
この値はカメラレンズのF値より小さいので
合成F値=2.0(=カメラレンズのF値)

口径 60mm:
倍率  =  600mm÷27mm=22.2倍
合成焦点距離=6mm×22.2倍=133mm
望遠鏡側合成F値=133mm÷60mm=2.22
この値はカメラレンズのF値より大きいので
合成F値=2.2

となります。

35mm版換算ではいずれも620mmの望遠レンズの相当しますが、F値は2前後と
極めて明るい光学系であることが分かります。

合成F値が2.0と2.2の違いがあるものの、僅差と考えて撮影をしてみました。
(いずれもISO3200、15秒露光です。)

こぎつね座のM27をそれぞれで撮影し、JPG撮ってだし、等倍画像です。
(本当はM13で比較したかったのですが、天頂付近の雲が取れず断念・・・)

 
120mmの画像のほうが明らかにバックが明るく写っていて、暗い星も写っていて
解像度も高い感じがします。

理論がみごとに打ち砕かれましたが、コリーメート撮影の場合光学系が複雑な
ぶん、倍率を下げてカメラのF値以下にF値を下げて、被写体の輝度を上げる
ことが有効なのかも知れません。

口径が大きくなり解像度が上がれば微光星も写りやすくなることもあるかも
知れません。

理論はあくまでも目安と考え、実際にテストして確認したほうが良さそう
です・・・。

最後にそれぞれの画像を8~9枚コンポジットした作品をお見せしておきます。

まずは口径60mmの画像から(9枚コンポジット)

 

次に120mmの画像(8枚コンポジット)

 

作品になるとあまり極端な違いはないかな?という気がしますが
いかがでしょう?

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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コンデジで天体写真を撮ろうⅡ(番外編-口径による写りの違い) への4件のフィードバック

  1. くっしー のコメント:

    いや~、なんか微妙な出来の写真ですね。
    原寸切り出しのM27は確かに、12cmの方が良く写ってるし微光星も多く写って
    るんですけど、なんか全体写真で見ると6cmの方がコントラストが良くて
    全体の写真としては綺麗に見えたりしますが、、、、
    というか、原寸切り出しの写真もコントラスト的に見ると6cmの方が優れて
    いるように見えますが、、、口径と焦点距離の比で、遮光環の効きが違って
    きているとかの、迷光処理の影響が有るんでしょうか??

  2. スタパオーナー のコメント:

    くっしーさま
    画像処理の仕上げの関係で6cmのほうがよさげにみえますが、12cmのほうは
    少し光軸がズレていて左上に少し影が出ていますので、それをカバーするために
    少し暗めに仕上げているというのがその原因かも知れません。
    ただ、12cmはF5、6cmはF10ですので収差の面で6cmが有利な部分も
    あるのかも知れません。
    いずれにしてももう少し作例を集めないとハッキリした結論は出せそうにない
    のですが、この先はちょっと時間が取れないかも知れません・・・。

  3. くっしー のコメント:

    ほんとうですね。少しかげりが出てるんですね。まあ、確かに他の色々な条件が有るでしょうから、なかなか口径の差だけとして比較するのが難しいのかも知れませんね。この記事を読んだ時に、焦点距離を揃えている所で、『おっ!すごい』と思ったのですが、なかなかその他の条件の影響がどれぐらい出てるのか何とも言えない結果でしたので、いくつかの作例を見比べないと直ぐには結論は出せませんよね。うちでも試せると良いんですが、自宅は光害がひどいから何を比較してるか判らなくなりそうだし、今の所、遠征に行った時にそこまでTESTする程の余裕もないのが実状です。

  4. スタパオーナー のコメント:

    くっしーさま
    今回はあまり条件が良くない中、大あわてで機材を組み合わせて撮影したので
    あまり分かりやすい結果になりませんでした。
    システムを少し見直してもう少しデータを集めたいと思っています。
    ただ、しばらくは双眼鏡にはまっているので、本腰を入れるのは秋以降になるかも
    知れません。
    気長にお付き合い下さい。

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