夏の星座 -その3- ヘルクレス座(その2)

今日も今ひとつスッキリしない天気です。

スタパ周辺ではヨイマチグザが咲き始めています。

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夕方から朝にかけて開く花なので、昼間はしおれていてきれいな
状態を見ることができにくいです。

さて「夏の星座」シリーズ、ヘルクレス座の続きです。

ヘラクレスはギリシア神話きっての英雄なのですが、悲劇のヒーロー
でもあります。

大神ゼウスの浮気がもとで生まれた子供だったのですが、ゼウスの
正妻である女神ヘラの嫉妬の呪いをかけられ、幸せになると気が
狂ってしまいとんでもない罪を犯してしまいます。

この狂気を償い逃れるために不可能とされていた12の荒行(冒険)を
して世のために尽くすのですが、それでもヘラの嫉妬は消えず、
終いには自らの妻に誤って殺されてしまう(妻はそれを悔いて
自害 してしまう)というとても悲惨な一生なのです。

これについて詳しく語ろうと思えば、映画が楽に1本作れるくらいの
長編になってしい夏が終わってしまうのでここでは割愛します。

ヘルクレス座は大きな星座で、星の並び自体もなかなかうまく繋げた
ものだと思うのですが、暗い星ばかりで影が薄いのはヘラクレスの
薄幸な一生を物語るようです。

さて明るい星の少ないヘルクレス座ですが、望遠鏡で眺める天体は
かなりの大スターがいます。

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ヘルクレス座の腰のあたりにある球状星団M13です。

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スタパで見える球状星団の中でも最もはっきりしたものです。

8cmくらいの望遠鏡で見ても球状星団らしいツブツブした感じが
わかる大きな星団です。

条件が良いときにはゲストから歓声が上がるほど見事な(天体写真に
近い)見え方をします。

ヘルクレス座にはもう一つM92という球状星団があります。

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こちらもなかなか立派な球状星団なのですが、M13の陰に隠れて
あまり見てもらえることが少ない星団です。

ヘルクレス座ではなくかんむり座あたりにあれば、きっともっと
出番が多いと思うのですがね。

ところでヘラクレスの頭の所にある星(=α星:ラースアルケチー)は
きれいな二重星(連星)です。

オレンジ色の主星と黄色の伴星がわりと接近して見えてヘラクレスの
頭としては不釣り合いに感じるほどかわいらしい星です。

M13を見たらぜひセットで見て頂ければと思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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