今日は久々に青空が広がりました。
毎日見る景色も日射しの有無で全く違って見えるから不思議です。
今日は久々の晴れ間を活かして、先日刈り残した部分の草刈りや、
廃材片付けなどの屋外作業をして良い汗をかきました。
さて昨日から紹介を始めたNAGAMITSU-60MAXI(以下ナガミツ)、しばし
紹介記事を続けさせて頂きます。
晴れていればファーストライトというところでしたが、残念ながら
夜には曇ってしまいました。
このナガミツ、現在市販されている口径60mmの天体望遠鏡としては
最も大きな口径比(F20)を有するのですが、この性能を最大限に活かす
ために様々な工夫が凝らされています。
まず特筆すべきは対物レンズの仕上げです。
4面6層フルマルチコートというこのクラスとしてはオーバースペック
とも思えるほどのコーティングが施されています。
写真は左が最も一般的な第4面のみシングルコートのアトラス60
(D60/f800)、中央がナガミツ(D60/f1200)、右がビクセンポルタの
A80Mf(D80/f910)で普通のマルチコートです。
各鏡筒のレンズは口径や曲率が違うので一概に比較できない面も
あるのですが・・・・・
A80Mfはアトラス60と較べればレンズ面の反射が充分抑えられて
いるように見えますが、ナガミツと較べれば全く別物であることが
判ります。
ナガミツはレンズの外周部に丁寧な黒色つや消し塗装がほどこされて
いるので角度によってレンズが見えなくなり、ただ黒い穴が空いて
いるだけに見ることもあります。
何だか吸い込まれそうで怖い感じがするほどです。
ここまでしなくても見え味にそれほど差が出ないのではとも思う
のですが、F20という非常に曲率の小さなレンズなので反射光が
散乱されにくく、コーティングの善し悪しが性能を左右することが
あることを考慮してのことだそうです。
性能面での妥協をしないのがこのナガミツのコンセプトであることを
考えれば、ある意味必然のスペックだと思います。
そしてこの高性能レンズを支えるのがこちら
金属製のセルです。(新開発だそうです。)
最近の小口径屈折は樹脂製のセルが多いのですが、こちらは金属製。
造形的にも素敵ですが、F20という長焦点で光軸ずれが発生しに
くいよう剛性を確保するためと思われます。
でもよく見ると普通のセルには無い小さなねじ穴が3箇所・・・
おそらく光軸修正用(主に芯出し用?)だと思います。
現在の加工精度からすると本格的な光軸修正装置までは不要だが
長焦点レンズで発生しやすく、性能に影響しやすい芯ずれを吸収
するものモノではないかと思います。
この辺は過去に発売されていた60mmF20鏡筒の現物調査や、同社の
遊星号(D50mm/F20)の経験が活かされているのでしょう。(続く)