秋の星座シリーズ  -その1- ペガスス座(1)

このシルバーウイークはわりと天候が良さそうな予報だったのですが
またもや雨・曇りのパターンに逆戻りしてしまった感じです。

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今日も日中はハッキリしない天候で、夜には雨になってしまいました。

晴れない、晴れない・・・といっているうちに9月も下旬・・・

モタモタしているとチャンスを逃しそうなので、秋の星座解説(スタパ
流)を始めたいと思います。

この先しばらくシリーズで紹介して行くのですが、内容自体は2012年
9月~紹介した「秋の星座」シリーズのリメイクです。

「スタパオーナの部屋」というアーカイブ用のブログに登録する作業を
兼ねての掲載です。よろしくお付き合い下さい。
秋の星座ということでまずはペガスス座から紹介します。

ペガスス座は秋の星座を辿るうえで一番要となる星座だからです。

本題に入る前に「ペガスス」と言うと、何か違和感を感じる方もあると思います。

「ペガサス」じゃないの?・・・と

別に「ペガサス」でも間違いではないのだけれども、「ペガサス」は英語読み
です。

天文学の世界ではできるだけ公平に世界共通の読みにするためラテン語読み
するというのが慣例になっているので日本では「ペガスス」ということになって
います。
(似たようなもので「ヘラクレス」をかたどった星座を「ヘルクレス座」と
いうことになっています。)

で、ペガスス座。

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神話では秋の星座の中で一大絵巻が繰り広げられる古代エチオピア王国物語
(カシオペア座、ケフェウス座、アンドロメダ座、ペルセウス座、くじら座、
ペガスス座が絡む)の一角をなしていますが、物語の中では出番の少ない脇役的
存在です。

でも実際の夜空では秋の星座の中で最も中心的存在で、目立つし、他の星座を
探すのに目印となる星座です。

ペガスス座が分かれば、そこから秋の星座が芋づる式に分かるようになるとても
便利な星座でもあります。

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ペガスス座のα・β・γとアルフェラッツの4つの星を結んで「秋の四辺形」
とか「ペガススの四辺形」と呼んでいます。

2~3等星の星たちですが、秋になると空高く昇りよく目に着きます。

春・夏・冬には大三角と呼ばれる目印があり、ほとんどが1等星(春の大三角の
1コだけ2等星ですが)で構成され都会でも見えるのですが、秋は四辺形で
都会では見えにくいです。

でも春・夏・冬の大三角がそれ自身が目立ってそれで終わり的な部分が強いのに
対して、この四辺形を目印にいろいろな星座が探せる便利な目印なんです。

なので是非秋の星座の第一番目に覚えて頂きたい星座だと思っています。

上の写真のなかで秋の四辺形の一角、アルフェラッツだけギリシャ文字の
符号でなく固有名で書いてあるのには訳があります。

アルフェラッツには「馬のおへそ」と言う意味があり、四辺形の一角をなして
いるので、てっきりペガスス座の星かと思ってしますのですが、実はこの星
お隣のアンドロメダ座のα星なんです。

昔々は星座の境界線というのはハッキリ決まっていなくて、アルフェラッツは
ペガスス座δ星とアンドロメダ座α星を兼務していました。

とてもおおらかな時代で、必要に応じて使い分けていたようです。

でも近代天文学の合理主義のもとではそんなことが許されず、どちらか
ハッキリ白黒付けざるを得なくなりました。

せっかく四辺形が作られ、アルフェラッツ(馬のへそ)という名前もあるのだから
ペガスス座にしても良さそうなものですが、この星・・アンドロメダの頭にも
なる星だったんです。

絶世の美女であるアンドロメダ姫の星座でありながら顔のない星座を作る
わけにいかない・・というのが星座の境界線を決めた天文学者の先生方の
結論だったというわけです。

ですからペガススの四辺形というのは正確にはペガススの三角形に見たてる
のが正解なのかも知れませんが、どう見ても三角形を見たてることができ
にくいです。

秋の四辺形ということで、おおらかに見上げることにしましょう。

さてペガスス座の中には望遠鏡で見て面白い天体があまりありません。

唯一、θ星とε星を結んでその長さの3分の1ほど伸ばしたところに球状星団
M15があります。

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球状星団というのはたくさんの星がボール状に集まった星の集団です。

小さな望遠鏡で見ると星雲状の光の固まり(雲のよう)に見えるのですが、
スタパの40cm望遠鏡で見ると本当にこの写真のようにたくさんの星が
集まっている様子を観察することができます。

ヘルクレス座のM13には及ばないのですが、なかなか見ごたえのある天体の
ひとつです。(続く)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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