秋の星座シリーズ  -その6- やぎ座

今日の朝はドンヨリ・・・、午後には雨になってしまいました。

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スタパ前のキャベツ畑はすっかり収穫が終わり、閑散とした風景に
なってしまいました。

その分(というわけではないですが)スタパのコスモスが満開になって
います。

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さて少し間が開きましたが秋の星座シリーズ、今夜は「やぎ座」です。

やぎ座はお誕生日の星座の一つなので知らない方はいないのでしょうが、
実際の夜空で見付けようと思うと意外に難物です。

暗い星が多いうえに、南に低いところにしか昇らない星座だからです。

太陽が一番低い高さで南中する冬至の頃には、太陽がいて座にあるのですが
やぎ座はそのすぐお隣の星座なのです。

いて座は夏の星座に分類されるので、すぐ隣のやぎ座は秋の初めの頃(9月
頃)が見ごろになります。

10月中旬(秋まっただ中)の時期では22時頃になると南西の
かなり低い位置に傾いて、とても見付けづらくなってしまいます。

それでもやぎ座が南中した頃に星のきれいな場所で探すと、わりと整った
逆三角の星の並びを見付けることができます。

121018Cap2

なぜこの逆三角が「やぎ」に見えるのか不思議に思える感じるかも知れない
のですが、星座絵を見ると何となく分かります。

121018Cap

ただ、この星座絵を見ると「なんで頭が山羊で尻尾が魚なの?」という
より大きな不思議が待ち受けています。

この星座絵は神話のワンシーンで、化け物に追いかけられた牧神(牧場の神様)
である「パーン」(パンと読む人もいます)が、初め山羊に姿を変え逃げた
のだけれども、川に差し掛かった時に魚に変身ようと思って飛び込んだら
うまく変身できずに下半身だけしか魚になれずにあわてている様子だと
言うことです。

あんまり面白いので他の神様達に星座にされてしまったと言うことになって
います。

パーンさんにとっては何とも不名誉な姿ですが、ケンタウルスのように
半人半獣といった生き物がいた神世の時代ですから、半獣半漁がいても
それほど珍しくなかったのかも知れません。

やぎ座は牧神パーン(またはパン)がモチーフになっているのですがが、
このパーンさん普段はとても酒好きの朗らかな性格だったそうです。

お酒を飲むとすぐに居眠りをするのですが、この眠りを邪魔されるととても
怒って、とてつもなく大きな声でガオオーッと鳴いたそうです。

あまりに大きな声なので側にいる人を恐怖(パニック)に陥れたそうです。

実は「パニック」という言葉は「パンさんみたいな」という意味が語源に
なっているらしいです。

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ところでやぎ座逆三角の形はギリシャ時代には冥府に繋がる門だとされていた
ようです。

亡くなった人がここを通って天の川を昇って天国に昇って行くと考えられた
ようです。

見ようによっては悪魔の口に見えてちょっと怖いです。

やぎ座の見どころですが、双眼鏡ではα星、β星がそれぞれ二重星になって
いるのが分かります。

目の良い人には肉眼でも分かるそうですので機会があったら挑戦してみて
下さい。(β星は光度差が大きいので難しいかも知れません。)

望遠鏡でのお奨めはM30という球状星団です。

121019M30

ペガスス座のM15、みずがめ座のM2と近い赤経にあるので、見比べると
同じ球状星団でも個性の違いが楽しめて面白いです。

M30は一番低い位置で南中しますのでわりと見られるチャンスが限られ
ますが、なかなか見事な星団です。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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