超々入門 天体望遠鏡光学 プリズムで遊ぶ

久々の好天・・・

森の中から上を見上げると、すっかり生い茂って空があまり見えなくなって
います。

さて、今日も「超々入門・・光学」、今日はプリズムについてお話します。

私たちが日常、照明用の光として使う光は太陽光も含め白っぽい光が使われて
います。
この白っぽい光というのは、白っぽい光というのが存在するわけではなく、
さまざまな色の光が混ざることにより白っぽい光ができます。

 

プリズムに太陽光のような光を通すと光が七色に分解されます。

これは太陽光がプリズムに入るときに屈折がおこるのですが、光の色により
屈折の度合いが違うために光が分解されるというわけです。

この光が分解されることを「分光」といい、どの部分(色)の光が強いとか弱い
とかといったことを示すのが分光分布とかスペクトル分布といいます。

 

太陽光の中には赤・燈・黄・緑・青・藍・紫 という虹の七色がわりとバランス良く
ふくまれていて、色がはっきり見えやすい光になっています。(というより
私たちは太陽光の下で進化をしてきたので太陽光が一番自然に感じるのだと
思います。)

例えば白熱電球ですと、赤の成分が多く、青や紫の成分が少ないので、少し
赤みがかった黄色っぽい光になるわけです。

この太陽光をはじめ身の回りの光がみな虹の七色でできているのを最初に
科学的に証明したのが、万有引力で有名なかのニュートンさんです。

ニュートンさんは光についてもさまざまな研究や実験を行い、光を粒子と
考えて物理的な証明ができることを提唱していたことは、前にもお話しました。

ご存じのように、プリズムを通して物を見ると、物の縁がにじんだように虹色が
まとわり付いて見えます。

 

プリズムが物からの光を分光しているので、色が変わる縁の部分では
分光された光がはみ出すので虹色が縁を彩るというわけです。

ところで、プリズムによる分光の広がりの強さ(これを分散といいます)ですが、
ガラスの材質によってかなり変わります。

また、全体的に光を曲げる力(屈折率)もガラスにより様々です。(というより
光学設計上様々な屈折率と分散の組み合わせが選べるとよい設計のレンズがで
きるので、様々なものが開発されているというのが正しい表現です。)

さて、話は変わりますが、下の写真のように向きを変えた二つのプリズムを
通して向こうを見るとどのように見えるでしょうか?

 

答えは・・・

 

ただのガラスのかたまり(厚い板ガラス)を通してみるように、
まったくゆがまずに、にじみもなく向こうが見えます。

分光された光はどうなってしまったのでしょうか・・・?

プリズムの向きを逆にしたことにより、下の図のように分光された光が、
また元の白い光に戻されるというわけです。

 

実を言うとこの実験をしたかったので、双眼鏡をそのまま捨てずに
分解してプリズムを取っておいたというわけです。

頭の中で「多分そうだろう」と思っていても、実際に試してみないと自身が
持てないし、ましてブログに書くとなれば思い込みで書いてしまうと恥をかく
ことにもなります。

何より、実際に写真でお見せしたほうが説得力もありますしね・・・

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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