今日も昼間は雲は多いものの、よい天気・・・・
夜になってまた曇ってしまいました・・・(残念!!!)
さて、超々入門天体望遠鏡光学、今日はいよいよアクロマート式の謎解きです。
さて、アクロマート式レンズというのは、どのような仕組みで色収差を
軽減するようになっているのでしょうか。
アクロマート式の具体的な説明に入る前に、プリズムのところでちらりと
お話したガラスの光の「分散」について少し説明をしておきます。
少し回り道のようですが、ニュートンがアクロマート式レンズを発明でき
なかった理由には、この「分散」についての理解が足りなかったからだと考え
られており、アクロマートを説明するときの重要なファクターだと思います。
分散とは光の色によって屈折される度合いの違いを表すもので、分散が
大きいとプリズムでは赤から紫までの分解された光の幅が大きくなり、
レンズでは赤の光の焦点位置と青の焦点位置が大きく違います。
色による分散が全くないガラスがあれば色収差のないレンズができてよいの
ですが、残念ながら、そうした材質はありません。
ED(Extra low Dispersion:超低分散)ガラスと呼ばれる高級な光学レンズでも
単独では色収差を無くすことができません。(EDガラスを使えば色収差だけで
なく他の収差も軽減しやすくなることは確かなようですが・・・)
それではどのようにすれば、この分散を打ち消すことができるのでしょうか?
ヒントとして、プリズムの解説の中で二つのプリズムをさかさまにつなげると、
一度分光された光がまたもどり、ただのガラスの板を通してみるように
すっきりと向こうが見えるというお話がとても大きな意味を持ちます。
ニュートンさんが2枚のレンズを使って色収差の少ないレンズを作ることを思い
つかなかったのは、ガラスの材質により屈折率が違うことまでは気づいていたの
ですが、分散が違うというところに気づいていなかったからだと言われています。
下の図はプリズムで屈折率と分散の大小による、光の分散と進み具合を
示しています。
アクロマートの仕組みとしては前回の冒頭で書いたように屈折率の違う2枚のレンズ
(凸レンズと凹レンズ)を組み合わせたものです。
この図の上のほうを拡大して見ると
いかがでしょう? プリズムを2個逆さまに組合わせたときの形に似ていると
思いませんか?
さあ、ここまで書くと察しの良いかたはだいたいの答えが分かってきたのでは
ないかと思います。
続きは次回をお楽しみに・・・
ブログいつも楽しみに拝読しています。
この間、つい魔がさしてレイメイの望遠鏡をヤフオク一円で落札。
レンズを見てみると正にこの絵のように凹凸二枚のレンズが入っていました。
(レンズをとり出すと二枚に分離してしまいびっくりしました。)
まだ天候に恵まれず星は見れていないのですが、ある意味楽しみです。
アクロマートの解説、次回も楽しみにしています。
EMIさま
応援コメントありがとうございます。
レイメイなのにちゃんとアクロマートになっているなんて、1円はお買い得ですね。(笑)
双眼鏡などでは貼り合わせてある対物レンズfが一般的ですが、望遠鏡では「分離式」のレンズが一般的です。
どんな像なのか確かに楽しみですね・・・
さて、拙ブログ楽しみにしていただいているとのこと、嬉しい限りです。
内容が内容だけに引く人が多いのでは?と思って心配していたところでした。
今後ともよろしくお願いします。