商売道具

ペンションの仕事を円滑にこなすためには様々な商売道具が必要になることは容易に想像できると思います。
ペンションというのは日常の延長上にある非日常を演出し体験をいただくという性格を持っていますので、ほとんどはどのお宅にもあるようなものが商売道具になってしまいます。
スタパの場合、天体観察という少し特殊な部分があるので、望遠鏡関連の道具は別なのですが、それ以外の客用什器や備品、厨房機器、清掃用品などは多少業務用の色は濃いものの、それほど特殊なものはありません。
ただ、最近になってこの道具という世界はものすごく奥の深いものであることがつくづく実感できるようになってきました。ほぼ同じ形で、同じ機能のはずの道具なのに値段が数倍から時には十倍以上も違うことがあります。根っからの貧乏性である私にはなかなか高級なものを買おうという勇気が出ないのですが、その道のプロが使っているのを見たり、機会があって使わせてもらったりすると、なるほど明らかに違いのあることがわかります。
値段が十倍違うからといって、機能や仕上がりが十倍違うわけではないのですが、ほんの少しの仕上がりの違い、極限状態での効率(スピードや故障率)などを考えると、プロとしては高級品を選ぶのは当然のことかもしれません。(望遠鏡の世界も実はこれと全く同じで高いものにはそれなりのわけがあるのですが、この話をしだすとまたキリがなくなりますので別の機会にします。)
 前置きが長くなりましたが、今日はプジョーのペッパーミルの話。

ペッパーミルというのは胡椒(こしょう)をガリガリとすり潰しながら振りかけるための道具です。お料理番組で一流のシェフが肉の上でスティック状の道具をねじっているあれです。胡椒なんて粉のやつを使えばいいじゃないかとも思うのですが、やはり挽きたての胡椒は香りも味も違うようです。
ペッパーミルの中ではプジョー(フランスの自動車メーカー)が一番だそうです。自動車メーカーがペッパーミルを作っているというのは意外なのですが、元々プジョーはスチール製品の加工が得意な会社で、自動車以前から鉄製品(馬車の車輪など)を生産していたそうです。胡椒をすり潰す歯車のような部品に特別なノウハウがあるようで、そこらで売っているものとはかなり違うようです。
ここのところスタパのお料理には必ずといって良いほど、このペッパーミルで挽いた胡椒を使っています。ゴリゴリするたびにおかみはご機嫌で、「やっぱりプジョーはいい~・・・」とつぶやいています。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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