双眼鏡で星空観察入門 (67完)


今日はドンヨリ曇り空。

夜には雨になってしまいました。

さて今日も双眼鏡シリーズ。

今日はこぐま座周辺です。

9.双眼鏡で楽しむ星巡り

9-44 こぐま座周辺

今日はこぐま座周辺の見どころを紹介して行きます。

 

こぐま座は小ひしゃくとも呼ばれ、β星(コカブ)-γ星(フェルカド)-η星-ζ星の4つの星で水を汲む容器を形作ります。

 

コカブは3000年前には北極星として使われていた星ですが、フェルカド並んでいる様子を双眼鏡で見ると黄色と白色の対比がとても美しく感じます。

フェルカドは近くに伴星があってかわいい二重星でもあります。

ABKカタログに登録するほどでもないですがコカブとフェルカドの対は双眼鏡で一見の価値はあると思います。

ABK109 こぐま座ζ(ゼータ)-η(エータ)星 ミニうお座星列 分類:星列

さて柄杓の柄に近い方のη星の周りにはたくさん星があって、双眼鏡を向けたときにはどれがη星だか すぐにはわからなくなってしまうほどです。

η星とζ星を含むV字型に広がる星列が目に着きます。

このV字型の先にはそれぞれ星の塊があって、なんだか秋の星座のうお座を連想できます。

北斗七星の中に「ミニ小北斗」(ABK109)があるように、こぐま座の小北斗の中にもうお座があると思うと、お兄ちゃん熊が、赤ちゃん熊を連れた母熊の手伝いをするように、捕まえた鮭を担いでいるなんて情景が思い浮かべられてとてもほほえましいです。

「こぐま座ζ-η星ミニうお座星列」と名づけることにします。

ABK110 こぐま座 北極星のリング 分類:星列

こぐま座にはもう一つ、空のきれいな場所でぜひ見ていただきたい星列があります。

北極星を取り囲むように微光星が並んでダイヤの指輪のように見えるという紹介を以前しています(8-2)

これはABKカタログを作ることのなった原点とも言える「Binocular Highlights」(洋書)で紹介されているものです。

北極星以外は6~8等級の暗い星が多いのと、わりとこぢんまりした星列なので低倍率の双眼鏡では少し難しいかも知れませんが、一度見つかるとハッキリ分かるようになるので試してみて下さい。

見方によってはもう少し右下に広げて、少し歪んだハートマークと見ることもできます。

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さて永らく続いた「双眼鏡で星空観察入門」シリーズですが、ABKカタログの目標数であった対象の数が110を達成したこともあり、今回で一応の完了となります。

110にそれほど深い意味は無く、天文業界では超有名なメシエカタログが110番まであることに対抗しているのと、このくらい数があると各季節ごとに30前後の対象があって、それなりに楽しめると考えたからです。

実際には紹介できるほど形が整っていないとか、うまい具合に形を当てはめられずに紹介できない星群・星列もたくさんありますし、あまり真面目に捜天していない区域などもあって、まだまだたくさん探せそうな気がします。

なので今後も暇を見つけて探そうと思っています。

このブログをご覧の皆さんの中でも、双眼鏡向けの面白い対象を見つけたらぜひ紹介いて頂けると嬉しいですのでよろしくお願い致します。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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