超々!入門 望遠鏡光学 遮光環について - その3 -

昨日の雨模様から回復方向の天候・・

 

空には鳶が低空を飛んでいました。

さて、「遮光環」の続きです。

昨日は遮光環の基礎的な設計方式を解説しました。

設計方法を通してどのような考え方で迷光を防止しているかが理解できたの
ではないかと思います。

ひとくちに言うなら、遮光環を配置する基本的な考えかたは、レンズから
入って鏡筒内壁で反射する光(一次反射光)が接眼部から見えないように、かつ
レンズが遮光環で隠されることの無いように配置するということです。

厳密に考えるなら昨日のように作図して設計する必要がありますが、適当に
作って、接眼部からのぞきながら「この辺かな~」などと調整しても、そこそこ
効果が得られます。

2インチサイズの接眼レンズを使うとか、一眼レフを繋げて写真を撮るという
ように、接眼部で広い範囲の焦点像が必要な場合には、かなり気を使って設計
する必要がありますが、焦点距離の短い接眼レンズを主体に考える場合には、
この方法でも充分です。

何となくコントラストが悪く、シャキッと見えない望遠鏡を買ってしまった
ときには、まずこの遮光環を疑ってみると良いです。

さて、昨日の作図による遮光環の配置の解説をご覧いただいて、なかには
もっと太い鏡筒や細い鏡筒ではどうなるのか?という疑問を持たれた方も
いると思います。

結論を先に言いますと、レンズ径に対して鏡筒は太いほど迷光の対策が
しやすくなります。

 

ここでは昨日と同じ条件で、鏡筒径だけを対物レンズの約2倍の径に太く
しました。

昨日の条件ですと3枚必要だった遮光環が、1枚で済むことになります。

広い範囲の焦点像を必要とする場合には、鏡筒を太くすると効果的な迷光対策が
できるとも言えます。

続く・・・

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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