ここ数日、ちょっとのんびりしていたのですが、ブログのアクセス数がドカンと桁違いに増えていることに気付きました。
(天文)業界ではわりとメジャーな(ふくだ)さんのブログで、この「買っちゃダメだよ望遠鏡」シリーズをご紹介いただいたのがきっかけで、さらにメジャーな天文情報ポータルサイト(星が好きな人のための新着情報)でご紹介いただいたのが原因のようです。
プロの天文学者のかたから「面白く読みましたよ」とメールで感想を頂いたり、公立の科学館のかたから粗悪望遠鏡で苦労されたコメントを頂いたりと静かな波紋が広がっています。
初めのうち皮肉たっぷりだったおかみの対応が少し変わってきたのは嬉しいのですが、昔からあんまり期待されると、すぐ腰砕けになってしまう男弱な性格ですので、あまり力まずに話を進めたいと思っています。
さて、今日は【絶対】「買っちゃダメだよ」な一品を入手しましたのでご紹介したいと思います。
この望遠鏡、「F30070M」という型式のほかは英語版の取扱説明書が付いているものの、製造メーカーも製造国も全く表示がありません。ただ、鏡筒に貼り付けてある「太陽は見ないで!」の標記が中国語なのでほぼ間違いなく中国産だと思われます。
仕様は型式が現すとおり「焦点距離300mm、口径70mm」でアクロマート式の屈折です。写真のとおり卓上型の三脚に載っています。付属品はH6mmと20mmのアイピースに天頂ミラー、3倍バローレンズと1.5倍正立レンズというこのクラスとしてはわりと一般的(?)な構成です。
まずはじめに組立てて驚いたのは、三脚の付け根部分の固定用リベットピンの長さが適切でなく、三脚がグラグラします。操作ノブを持って軽く上下するとフラダンスをするかのように望遠鏡が踊ります。この状態では星を導入・追尾するのは至難の業です。
それでもともかく星を見ようと外に出て、望遠鏡を上に向けると、これまた45度から上に向けられない構造になっています。
頭に来て当っている部分を強引に切り飛ばしたのですが、内部の咬み合せの関係で55度以上には上に向きません。この時点で天体望遠鏡とはとても呼べないものであることがわかったような気がしました。
それでも・・・と、気をとりなおして星を見ると・・・・、
一番低倍率(15倍)でも星が三角に見え、彗星のようにたなびいています。鏡筒内(特にドロチューブ)の内面反射がひどくコントラストも最悪でした。
それでも5cm位の口径ではみえにくい「さそり座の球状星団M4」の存在があっさり見える明るさは、すぐにスクラップにするには惜しいものでした。
光軸を見ると大幅に狂っていて、なるほどこれならしょうがないと思い、接着剤で固定されたレンズセルを外し、光軸をそこそこ追い込んで再固定。ドロチューブ内に絞り環と植毛紙の貼りこみを行い、写真のように内面反射を少なくして、これなら見えるはずと思ったのですが敵も然るもの・・・
15倍までは何とか使えるものの、それ以上ではやはり星が三角に見えます。
根本的にレンズがNGなようです。
低倍率専用のファインダーにする以外は使い道がなさそうです。
ここまでひどいとアクセサリーについて語る気もしませんので割愛します。(ろくなものでないことは確かです。)
望遠鏡として基本的な光学系と機械系が両方とも全く話にならない「絶対!買っちゃダメだよ望遠鏡」な一品といえます。
まあ、アクロマートレンズで口径比5を割るような製品がまともに見えると思うこと自体間違いですし、そんなものを企画して販売しようという人がまともな人であるという確率もかなり低いでしょうから、まともな製品である訳がないということでしょうかね。(まわりくどくてすみません)
そういえばこの望遠鏡、鏡筒が銀色でレンズフードのところに2本の細いストライプが入っています。この話の発端になった大沼さんのところで見たやつもスペックは違いますが同じデザインでした。
「ミザール」ブランドで見掛けの良く似た口径70mm、f300mの製品をネットオークションなどで見かけますが、似て有らざる物であることを強く祈るばかりです。
さて、今日の結論です。
アクロマートでF5を切る焦点距離、かつブランド不明の製品に手を出すことは自爆行為に等しいということがわかりました。




ミザールのこのデザインの望遠鏡を買いました。でもやはり書いてあるようなようには見えませんよ。ちゃんときれいに見えます。土星もちゃんと見えますし三角には見えません。でもやはり中国製でした。本体は、ドローチューブのところがガタつきます。それはそれでまだいいのですが、架台がだめです。なのでケンコーの三脚を買いましたがその三脚もダメでした。あとファンダーも合わせるとすぐにずれます。
leon様
コメントありがとうございます。
コメントレスがだいぶ遅れてしまい申し訳ありません[E:coldsweats01]
さすがミザールさんですね。中国製とはいえ、やはりある程度のチェックが入っているのでしょうね。
でも、三脚もファインダーも使い物にならないのなら、やっぱり「買っちゃダメ」の部類に入るのでしょうね。
・・と言いつつ、土星がちゃんと見えるのなら買っても良いかななどと考えてしまうのはやはり病気でしょうか・・・[E:catface]
ミザールのものは、カメラ用の三脚に乗せて、バローを使わなければ土星の輪は見えます。でも、表記スペックは正直イカサマです。
口径は70mmあっても、鏡筒内部に絞り環があって、実質3cm3
00mm位になってました。某国のOEM品だとは思いますが、もう少しブランドイメージを大切にしてもらいたいです。
初めまして。"F30070M"をgoogleで検索してこちらに辿り着きました。こちらの「買っちゃダメだよ」を拝見してから入札すれば良かったのですが、見事に落札してしまいました。某国内最大オークションで。トホホです。310円と安価だったのですが、入金には抵抗がありました。今から届くのが嫌です。ご多分に漏れず、この夏の子供の遊び用にと思ったのですが、下調べもせずに出会い頭の入札でそのまま落札されてしまいました。星が見えなくとも、昼間の子供の望遠鏡にでもと思っていたのですが、自分で修正調整する知識もなく、些か自分に嫌気がさします。
ところで、趣味から仕事へご家族とともに思い切った人生の選択、素晴らしいですね。星にはあまり縁のない生活ですが、時々、お邪魔し、学ばせていただけたらと思っています。突然ではありますが、有り難うございました。
tairon様
どうもご愁傷様です。(;ω;)
皆さんの意見をお聞きしていると、性能にはかなりばらつきがあるようです。
私の所に初めにきたやつは記事の通りの物でしたが、次に買った(!)ものは
土星の輪が(かろうじてですが)見えました。
望遠鏡を扱う上での最低限の最悪な部品がそろっているので、練習用に買うなら
310円なら送料を含めても買いだと思います。
ひどい見え方かも知れませんが、見る対象の導入やピント合わせなど練習用だと
割り切って使えば、次によい望遠鏡を買ったときには戸惑わずにすむと思います。
それとひどい望遠鏡でも、昼間の風景はわりとよく見えたりします。
せっかく買ったのですから使いたおしてあげてください。
ちなみに私は後から買った2台目と1台目の部品の良いとこ取りをして、
1台の(何とか使える)望遠鏡に組み立て直しました。
低倍率用と割り切って使えばとりあえずは機能しますので、捨てずにおいてあります。
何もみえません
鈴木さま
この機種を使って見えないのでしょうか?
いくら何でも全く見えないと言うことはないと思うのですが・・・
バローレンズなどを使わずできるだけ低い倍率で試しましたか?
天頂ミラーは使用していますか?(構造上、天頂ミラーを使用しないと大幅にピンボケして何も見えません。)
昼間に遠くの景色(少なくとも30m以上離れた場所)を見て試して見て下さい。
オーナー様、
結構名の知れた国産メーカーからもこのような中国製の低品質のものが見られますね。ここで紹介されているような望遠鏡ではありませんが、以前、某国産メーカーら出ていた、中国製大口径屈折や小口径カタディオで相当酷いものを買ってしまった経験があります。
今では中国製もずいぶん品質が安定してきたように思います。特にスカイウォッチャー製は今、市場を席巻している感があります。スカイウォッチャーと言うブランドは、中国のSYITA社ですかね(違っていたらごめんなさい)。ここのマクストフシリーズの品質はとても高いですね。今やセレストロンのシュミカセもここで作られているようです。自分の使用感では、昔のシュミカセとは比べ物にならないほど、品質が向上しているように思います。鏡筒だけではなく、赤道儀も、三脚も剛性感がすごくコスパが高いです。ドブソニアンシリーズも充実していて、今やなんでも揃っちゃってますね。
小澤さま
おっしゃるとおり最近の中国製は望遠鏡に限らず充分高品質な製品が多くなってきたと思います。
ただ(かつての日本もそうだったのか)まだ玉石混淆の感が強く残っているようにも思います。
時間が解決してくれるのか、文化の違いからここの状態が続くのかは分かりませんが、生産国にこだわらず良心的なメーカーは応援したいですね。