今日は終日雨。

霧に包まれた高原大橋は幻想的です。

さて中古のファミスコ-60Sという望遠鏡を入手しました。

オモチャのタカラトミー製のトイスコープです。

総樹脂製のオモチャ仕様なのですがレンズはセミアポクロマート設計で、同クラス(の焦点距離)のアクロマートレンズよりも青にじみが大幅に少なく、球面収差も低く抑えられているので一時期マニアにもてはやされていたこともある望遠鏡です。

口径60mm、焦点距離400mm(F6.6)で67倍と16倍の接眼レンズや正立ミラーが付属し、トイグレードとは言え良くここまでの製品を作ったと感心させられます。

多分オモチャの製作ロットは望遠鏡と桁違いなため安くできるのでしょう。

ハレー彗星の接近(1985年)に合わせて需要が見込めることから作ることができた製品だと思います。

さてスタパには通常のアクロマート仕様のD=60mm、f=400mmの望遠鏡があるので早速比較してみました。

天候が悪かったので景色を見ての比較ですが、ファミスコのほうが色収差が圧倒的に少なく、球面収差が少ないためか高倍率でもスッキリ見えて、その差は歴然でした。

アクロマートのほうはレンズがだいぶ曇っていることもあり、像が今ひとつスッキリしないのですが、それを差し引いてもファミスコのほうが圧倒的に良く見えます。

ただファミスコはそれ自体で閉じたオモチャ仕様ですので、市販の接眼レンズが使いにくいですし、ピント合わせも微調整に苦労させられます。

見て楽しむだけなのはちょっともったいない気がしますので、いろいろ応用が利くように改造したいと思います。(続く)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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への3件のフィードバック

  1. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、こんにちは。

    ボーグが出て来た時は驚愕しました。
    初めて天文雑誌で見た時、トミーっておもちゃ屋さんだよねって。正直はじめの感想は「おもちゃ」。でも、なんで天文雑誌に広告が、という感じで軽めのカオス感に襲われました。うーん、こういうパターンは初めてだなぁ、なんなんだこれは。

    私が初めて見たものはオーナー様が今回紹介されているファミスコのあと(かな。)の、簡易赤道儀と三脚がセットされた眼視専用のシリーズで、確か7.6cmと10cmでそれぞれアクロマートとEDアポクロマートのセットだったかなと、思います。この製品がなんという名前だったかは覚えていませんが、今は無くなっているようです。

    あれから20数年、現在のボーグの立ち位置は、もっぱら写真鏡としてハイエンドユーザーの常用品になっています。値段もタカハシに迫るレベルになっていて、おもちゃとは全くかけ離れた存在になっています。まさかあのメーカーがここまで躍進するとは誰が予想したでしょうか。今や数少ない純国産望遠鏡メーカーの一角として非常に大きな存在となりました。と同時に鏡筒類はお値段的においそれと手の届かない存在になったことは、ちょっぴり寂しいです。

    ボーグといえば多彩なアダプター類、アクセサリー類も見逃せません。非常に重宝するものが多く、困った時のお助けメーカーとしても存在感が大きいです。
    私個人で言えば、シュミカセの細かいピント合わせにヘリコイドsがたいへん重宝しています。本来のクローズドフォーカスノブで大まかに合わせた後で、ヘリコイドsで合わせます。すごく軽いタッチで手元で合わせられるので振動もほぼ皆無で、シュミカセの欠点であるミラーシフトも全く感じることなく快適に使えます。
    バローレンズでは、コンパクトエクステンダーメタルは、その名の通りコンパクトですが、像質はテレビューのバローに匹敵するレベルです。お値段もこの性能を考えれば十分に安く、良いですね。

    いずれにしても大手おもちゃメーカーが望遠鏡部門でこれほどの躍進を遂げたのは、やはり中川さんの偉業というほかはないだろうと思います。

  2. スタパオーナー のコメント:

    小澤様
    いつもながらたくさんの経験に基づく深いコメントをありがとうございます。
    本当にボーグがマニア向け高級ブランドとしての立ち位置を確立しているのは驚くべきと思うとともに、素晴らしいことだと思います。
    少しお高いので望遠鏡にはなかなか手が出ませんが豊富なパーツ類にはとてもお世話になっています。
    ただ私が少し残念に思うのは、せっかくオモチャの販売チャンネルを持っているのだから、初心者向け望遠鏡にももう少し真面目に取り組んでも良いのではということです。
    まあいろいろ難しい問題もあるのかも知れませんが、オモチャ売り場で売られている望遠鏡を見る度にガッカリすることが多いので・・・

  3. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、
    おっしゃる通りです。今や高級ブランドとして確固たる地位を築いていますが、ここいらで原点に戻る試みとして、ボーグならではの昔ながらのエントリースコープも出してもらえればなあと、私もこのところ考えていたところです。

    気がついてみればアクロマートがなくなり、EDやフローライト一色になって、値段もぐんぐん上がっていくばかりです。また、実質的に眼視向きのものと言うよりも殆どが撮影を主眼に設計されているように思います。

    もちろん今の流れも素晴らしいと思いますが、その一方で「精密光学機器なのにおもちゃ、おもちゃなのに精密光学機器」と言った、ボーグならではの製品を今再び期待したいところです。おもちゃ売り場で売られているものは本当に「おもちゃ」で、光学製品とはとても言えないものばかりですので。

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