ハイテクとローテクのあいだ

今日は一日曇り空。

昨日は奇跡的に晴れてくれましたが、本当に晴天率の低い梅雨です。

さて昨日紹介したスマホ・タブレット用プラネタリウムアプリ「SkySafari」ですが、見つけたい(調べたい)天体をタップするだけで、その天体の情報を表示してくれると説明したのですが、この情報の中にはリアルタイムの天体の位置情報も表示されています。

上はわし座の1等星アンタレスの情報を表示していますが、矢印で示した数値は方位(真北を0度として東回りで何度の方向にあるか)、高度(地平線を0度、天頂を90度とした角度)を示しています。(親切にも「南東方向」という表示もあるので判りやすいです。)

昔(パソコンが普及する以前)はこんなこんなデータを気楽に入手することはできませんでしたし、スマホ以前であればパソコンでそれなりのソフトを使わなければれ得ることができなかったのです。

見たい天体を探すためには、まずは大まかな星座の配列を覚え、星座早見盤などでその天体がどちらの方位・高度にあるか見当を付けて見つけていました。

暗くて肉眼では見えない天体になると、さらに星図(星の地図)を用意して近隣の明るい星からファインダーを覗きながら暗い星を辿って見つけるというのが一般的でした。

赤道儀(目盛環付きである程度正確に設置されている前提ですが)を使えば近隣の明るい星を基準に目標の天体との赤経・赤緯(天球上の緯度経度に相当します)の差からわりと簡単に目的の天体を導入することができます。

なので少し専門的な観測をしょうと思えば必然的に赤道儀を使わざるを得ないという結論になったのです。

が、しかし・・・、スマホやタブレットでリアルタイムに天体の方位高度が分かるとなると話は少し変わって来ます。

初心者でも直感的に使える経緯台にある程度正確な目盛を付けて、望遠鏡が向いている方向が分かるようにしておけばわりと簡単に目的の天体が導入できるのではないかというところに思い当たったのです。

実はドブソニアンと呼ばれる大型の反射望遠鏡を使う人達の中にはこの方式で天体を導入するために自分の望遠鏡に目盛を付けて活用している方たちが沢山います。

ロータリーエンコーダーと呼ばれる望遠鏡の向きの情報をデジタル化して天体導入の支援をする製品も発売されていますし、猛者な方たちはその装置を自分で作ってしまう方もいます。(先日来られた「MACで天体」様もその1人でした。)

まあそこまでハイテクでなくても(スマホで方位高度が分かるだけでも充分ハイテクなので)、そして初心者でもそのデータを元に自分で目盛に合わせた方向に望遠鏡を向けてあげるという手順を惜しまなければ、何とか位置の分からない天体の導入ができるようになるのではないかと思えるのです。

必要以上にデジタルに頼るとトラブった時に時間を長く無駄にしてしまい、星を見る時間が少なくなってしまうこともあります。

ハイテク(デジタル)とローテク(手動)をうまく組合わせてあげれば、ちょっとしたコツをつかむだけで、見ることの出来なかった天体を自分の望遠鏡に導入することができるようになりそうです。

そういった観点でスタパの機材を見直していたら、上の赤道儀(50年以上前から存在する超古い設計の入門用です)は赤経軸を垂直に立てて経緯台として使えることに気づきました。

方位方向の目盛は時角と呼ばれる0時~24時のきざみですので0~360°に変換してあげなければいけませんが、変換は難しくないのでそれほど問題ではないです。

安物の赤道儀の中には目盛環のなんたるかを理解しないで設計されたものが散見され、望遠鏡の向きを正確に追跡できないものが散見されるのですが、上の赤道儀は設計が古いこともありシッカリ表示してくれます。

実際にこのセットで天体の導入ができるのか検証して行きたいと思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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ハイテクとローテクのあいだ への2件のフィードバック

  1. T-Studio のコメント:

    オーナー様

    この架台に近いものを私も自作しました。
    https://tstudioastronomy.blog.fc2.com/category7-7.html

    水平出しをしっかりすれば低倍率なら問題なく導入できましたよ。
    私は高度軸はデジタル角度計を使用しましたが、方位、高度とも目盛りとなるものを調整できるようにしておくと架台を動かさずに数字をあわせられますので使い勝手がかなり良くなります。(特に方位)

  2. スタパオーナー のコメント:

    T-Studioさま

    T-Studioさまに教えて頂いた手法を、まずはローテクなところから私なりにかみ砕いて紹介させて頂いています。
    デジタル角度計も安く購入できそうなので手配しました。
    水平方向のデジタル表示はまだかなり先のテーマになりそうですが・・・(汗)

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