今日も雨模様の一日でした。(23時過ぎには晴れましたが・・・)
さて望遠鏡入門講座をドンドン続けます。
第二章 望遠鏡の光学系
2-3.反射望遠鏡
1)反射望遠鏡の歴史
2)純反射式(ニュートン式とカセグレイン式)
3)カタディオプトリック式
前節で触れたように反射鏡のみこ光学系を純反射式、反射式をベースに何らかのレンズを組合わせた光学系をカタディオプトリック式と呼んでいます。
カタディオプトリック式は反射式のみでは取りきれない収差を軽減するために様々な方式が考案されています。
カタディオプトリック式で用いられるレンズは反射式の収差を補正するために用いるので「補正レンズ」と総称されることが多いです。
この補正レンズは筒先に着けられるもの、接眼部側に付けられるものなど様々です。
・マクストフカセグレイン式
前節で紹介したカセグレイン式の筒先にメニスカス式の凹レンズを配置し、このレンズの中央に副鏡となるようメッキをした光学系です。
メニスカス式のレンズをマクストフレンズと呼ぶこともありますが、球面のメニスカスレンズです。
球面鏡の主鏡と組合わせることにより球面収差とコマ収差を補正することができ、光学系に非球面を用いないので比較的製作が容易とされています。
筒前端が閉じており副鏡の支持棒がないので回折も少なく良像が得やすい、主鏡・副鏡の保守が簡素化できるなどのメリットがあります。
副鏡をメニスカスレンズへのメッキでなく独立させた非球面鏡を用いることでより性能を向上させたタイプもあります。
・シュミットカセグレイン式
この方式もカセグレイン式をベースに先端に中央が凸レンズ周辺が凹レンズといったカルデラ型ともいえる特殊な形状のレンズ(シュミットレンズとも呼ばれます)を配置したものです。
補正レンズの製作が難しいですが、主鏡・副鏡とも球面鏡にできるので、補正レンズの量産が可能になるとそれ以外の製作はわりと容易だとされています。
この補正レンズ、上図では形状を判りやすく誇張して描いていますが、目視する限りは平面ガラスのように見えます。
マクストフカセグレイン式と同じく筒前端が閉じており副鏡の支持棒がないので回折も少なく良像が得やすい、主鏡・副鏡の保守が簡素化できるなどのメリットがあります。
口径や焦点距離の大きさのわりに小型・軽量で扱いやすいのも特徴です。
・その他のカタディオプトリック式
上記の2方式は鏡筒先端に補正レンズを持つタイプですが今日では接眼部側や主鏡と副鏡の中間に補正レンズを挿入した様々な方式が商品化されています。
写真中央はビクセンのVMC110Lで、カセグレイン式をベースに主鏡と副鏡の中間に補正レンズを配置したタイプです。(両側はマクカセ)
こちらはケンコー製スペーシア800C(前節でも紹介しましたが絶版品です)。
カセグレイン式の副鏡と接眼部の間に補正レンズが配置されています。
補正レンズが小さいのでシュミカセ・マクカセなどよりも製作が容易ですし、用途に応じた設計がしやすいですが、副鏡保持用の支持金具が必要になり像に回折が生じます。