天体望遠鏡入門講座 第四章 4-3

今日は曇りの一日。

数日間良い天候が続き過ぎましたかね・・・

少し開きましたが天体望遠鏡入門講座シリーズ、第四章が続きます。

第四章 架台

4-1. 経緯台

4-2. 赤道儀

4-3. 自動導入架台

経緯台・赤道儀といった架台の形式にかかわらず、近年では自動導入式の架台を採用した望遠鏡が多くなりました。

コントローラーで指定するだけで目的の天体を望遠鏡の視野内に導入することができる架台です。

今ほどマイクロコンピュータが普及していない時代には大天文台でもない限りは装備されていなかったのですが、アマチュア向け望遠鏡としてはアメリカのMead(ミード)社がわりと早い時期から販売を始めました。

ミード社のフォーク式経緯台はそのまま自動追尾・自動導入が可能ですが、全体を傾けて設置するウエッジを用いると赤道儀として自動追尾・自動導入が可能になります。

最近ではドイツ式赤道儀の自動導入機も販売されるようになりました。

ドイツ式赤道儀の場合、架台よりも東側の天体を見る場合と西側を見る場合では「子午線跨ぎ」という鏡筒を反転させる作業が必要になるため、南中前の天体を連続観測する場合、どの時点で子午線跨ぎの操作をするかソフト的に難しい面があります。

各社がドンドン工夫を凝らしてソフトウエアが進化しているので使いやすくなってはいますが、ある程度の望遠鏡や主要な星座の星についての知識が無いと、なかなか使いこなすのは難しい面も多いようです。

メリットとしては
・詳細の位置が未知で、ファインダーに見えないほどの暗い天体でも導入が可能
・雲が多くて目視では導入できない状態でも、待ち伏せ導入が可能になる
・あまり天体について詳しく知らなくても、次々に様々な天体を見ることができる

デメリットとして
・アライメント(設置時の位置合わせ)が必須。
経緯台式では2点アライメント(水平に設置させている前提)
赤道儀式では1点アライメント(極軸が正確に設置されている前提)
・小型軽量タイプではちょっとした不注意で望遠鏡が動きアライメントし直しとなる
・アライメント方法や操作方法を覚える(メーカーや機種ごとに違う)必要あり
・電源(電池)が確保できないと動かない(使えない)

最近ではスイッチを入れれば、全く全自動でアライメントまでしてくれて、その時刻にお奨めの天体を自動的に順番に導入してくれる機種も販売されるようになっています。

機種によっては星や望遠鏡の知識が全く無いと少しハードルが高い場合があるかもしれませんが、アライメントや操作の方法を覚えてしまえば、かなり便利で、星を見る楽しみがいっそう広がります。

星を趣味にしている方の中には、いかにたくさんの天体を手動で導入できるかを競い、自慢にされる方も多いですが、気楽に楽しむのもひとつの道かと思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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