今日はそんなに悪い天気予報ではなかったのですが曇りのち雨。
さて今日はヒノデ5×20A+(エープラス)の紹介。
天文ファンの方の中にはすでにご存じの方も多いと思いますが、とても尖った性格の双眼鏡メーカーである日の出光学さんが口径20mm、5倍のA+を少し前に発売されました。
同社には従来から5×20のAシリーズと呼ばれる(現状の最新モデルはA5)製品があるのですが、それの上位機種になるようです。
従来からAシリーズの上位にはS1(6×21)という機種があるのですが、A+はS1の後継機としても位置づけられているようです。
曰くEDレンズの採用、内面反射の軽減、国内組立などAシリーズとしての性能をどこまで高められるかを謳ったモデルだそうです。
外観上はA5と全く同じで、カラーリングと型式名のみが異なります。
「たった5倍の低倍率にEDレンズなんて意味があるのかしらん・・・」、「宮野さん(日の出光学の代表さんです)やらかしチャッたのじゃないかい?」 と個人的には思っていたのですが、実機を提供頂いたのでしっかり確認することにしました。
使い始めて最初はあまりA5との違いがわからなかったのですが、いろいろなシーンで見比べていると、だんだん「うーむ、なるほど・・・」と唸ることが多くでてきました。
まず見比べて分かりやすいのが逆光耐性の高さです。
強い光の街灯が視野内や視野近くにあるとき、A+はフレアが皆無ではないですが、視野全体が白けてしまうことがA5より大幅に少なく、快適に観察することが可能です。
次に5倍の低倍率で色収差の違いが気になるかという問題です。
通常の風景を見ている状態では差がほとんど見られなかったのですが、太陽光の反射のある場所ではその差が歴然でした。
ボルトの頭の部分の反射光にA5では明らかに色収差がでて気になります。
A+では写真で拡大したり、視野の端のほうではわずかに色収差が判りますが、気になるほどではありません。
明るい恒星や惑星などを見たときもわずかですがこの差が出ます。
また使っているうちにA+の方が色が濃く感じることが多くありました。
はじめはなぜなのか分からなかったのですが、A+のコントラストの高さが原因だと気付きました。(下はイメージを説明するための参考写真で同じ写真に画像処理を加えたものですが・・・)
上を良く見比べて頂くとほんの少し右側の方がクッキリ見えると思います。
筐体内の迷光が軽減されコントラストが高くなっているという雰囲気がお判り頂けるかどうかなのですが。(よく見比べないと分からないレベルかも知れません。)
実際にサイドバイサイドで見比べるとA+の方が明らかに像に立体感が増し、暗い茂みの中なども良く見えるようになります。
バードウォッチングなどでは茂みの中に潜む鳥をより見つけやすくなるのではないかと感じました。
価格差(A5:14800円、A+:19800円)を考えると価値観の違いにより意見の分かれるところかも知れません。
でも世界的に見て競合の少ない5×20というスペックにおいて最高の性能を有する一品が手元にあると思うと少し嬉しいかも知れないですね。
いつもお世話になっております。
早速ご紹介ありがとうございました。
林の比較写真ですが、まさに私が感じていた 「A5とA+の差」 その物です。
私はこの差を表現出来ませんでした。
文中に 「実際にサイドバイサイドで見比べるとA+の方が明らかに像に立体感が増し、暗い茂みの中なども良く見えるようになります」
とありますが、私もA+の方が立体感を感じます。
A5はとても良い双眼鏡と自負しておりますが、こだわりのある方にはA+をお勧めしたいと思っております。
ご紹介ありがとうございました。
宮野さま
いつもお世話になっています。
人それぞれに双眼鏡に求める要求が違うので、何が良い製品なのかを決めるのはもの凄く難しいと思います。
性能以前に価格の高低で判断する人もいれば、意匠やカラーリング、中には倍率「命」の人もいると思います。
そんな中で見比べないと分からないレベルの性能差と価格差をどう評価するかも人それぞれなのだと思います。
今回A5とA+を見較べて改めて丁寧に作ることにより違いがこんなふうに違ってくるのかということを勉強させて頂いた気がします。
これからも尖った製品作りを楽しみにしています。