ホントに超入門 「望遠鏡の使い方」-18:接眼レンズについて-4

紅葉最高潮の週末・・・

 

八ヶ岳高原大橋をたくさんの車が通り過ぎます。

さて超入門シリーズ、今日も「接眼レンズについて」の続き・・・、

昨日の続き「接眼レンズの仕様について」(その3)です。

昨日は基本的な数字で表される仕様だけでよく見える接眼レンズかどうかは
語れないといったことを書きましたが、数値で表れにくい性能にはどんなものが
あるかについて説明します。

数値に表れにくい主な性能として次のようなものがあります。

・周辺像の鋭さ

・ヌケの良さ

・アイポイントの寛容さ

・望遠鏡との相性

いずれも見た目の感覚的な言葉での説明でしか表しにくいものですが、
それぞれについて詳しく解説します。

1.周辺像の鋭さ

中心像が鋭いのは当たり前として(中には中心像も鋭くないものもありますが)、
視野のはしに行くほど星像がぼやけたり、点でなくなってくる接眼レンズが
多いです。

安価な広角タイプのものでは見かけ視界は広いのだけれども視野のはしのほう
では星が三角にぼけて、微光星が見えなくなってしまうこともあります。

視野が狭くても周辺まで鋭く焦点を結ぶ接眼レンズのほうがたくさん星が見えて
しまうことがあって、広角の意味がほとんどないといった場合もあります。

望遠鏡との相性(後述)もあるのですが、特に広角タイプの接眼レンズでは、
高価になるほど、周辺像が鋭くなる傾向にあります。

2.ヌケの良さ

接眼レンズを広角にして、アイレリーフを長くして・・という設計をすると
レンズの枚数がどうしても多くなってしまいがちです。

レンズの枚数が多くなれば、ガラスの中を長く通過したり、レンズの表面での
反射の回数がドンドン多くなって行きます。

ガラスの材質の透明度や、レンズ面のコーティングの質の高さがより重要に
なります。

これらがしっかりしていないと接眼レンズ内に迷光が多くなり、光がこもって
しまい、焦点像のコントラストが悪くなってしまいます。

コントラストが悪いと惑星などの淡い模様を見ようとしたときにとても困る
ことになります。

レンズの間隔や形状によって光がこもりにくい設計にするのも、設計者の腕の
見せ所であるともいえます。

昔からある接眼レンズはレンズ構成がシンプルなものが多く、コーティングが
してなくても充分にヌケが良くてたまに使うととても新鮮に思えることがあり
ます。

続く・・・

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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