今日日中はとても良い天気でした。
夕方になっても雲がほとんど無い状態だったので「十三夜」の月を少しでも良い条件で撮影しようと準備して、いざ撮ろうとしたら雲が・・・・
ありがちなシチュエーションで思わず笑ってしまったのですが、薄雲を通して何とかパチリ、
雲越しでややコントラストが悪いですが、まあそれはそれで吉とします。
なぜ「中秋の名月」の翌月の満月(=十五夜)でなく「十三夜」を愛でるのか少し「謎」です。
でも「中秋の名月」の天文学的意味を考えると、少し謎に迫れる気がします。
そもそも「中秋の名月」がなぜ旧暦8月15日なのか?
旧暦8月15日と言うことは今の暦では9月15日前後、つまり秋分に一番近い満月であるということで、月は春分点近くに位置することになります。
春分点付近にある天体の南中高度は“90°-観測地緯度”になるので北緯35°前後の東京付近では約55°になります。
この55°の南中高度というのは星を見るときに絶妙な高さで、自然に振り仰いで視野に収められる高さです。
これより高くなると長時間見上げるには首が痛くなるし、低いと地上の木や建物に邪魔をされたり、大気の減光の影響を受けやすくなります。
春分前後の満月でも同じ地上高度となりますが、月を愛でるにはまだ少し寒い気候ですし、その頃は日本人の心とも言える「桜」を愛でる方に忙しい時期でもあるでしょう。
暑い時期が終わり、快適に夜空を見上げられる気候で、丁度良い高さの満月だから「中秋の名月」として愛でられるようになったのかと思うわけです。
さて前置きが長くなりましたが、それでは「十三夜」はというと、月の朔望月周期は約29.5日で満月-新月-満月を繰り返しますが、純粋に地球の周りを一回りする公転周期は約27.5日です。
地球自身も太陽の周りを公転しているので27.5日のうちに少し進むので満月方満月になるまでの時間が2日分余計に掛かるわけです。
「中秋の名月」から「十三夜」までの日数は約27日で月の公転周期に近いです。
つまり「中秋の名月」と「十三夜」の月はどちらもほぼ天球上の同じ位置(春分点に近いあたり)にいるということになります。
「中秋の名月」の頃は天候が不安定でリアルタイムに月を愛でられない事が多いので、天候が安定し晴天率がグッと高くなる「十三夜」も愛でることにしておけば旨い酒が飲める確率が高くなるよね・・・というのが古人の知惠なのではないかと思うのです。