今日は少し雲の多い天候でしたが、夜も何とか晴れれくれました。

さてSV202 8×32のレビューを続けます。
前回に記したように外観や操作感がとてもナチュラルであることに加え、覗き込んだときの感覚もとても自然で、ストレスなく使うことができます。
メガネを掛けたままでも視野全体が無理なく見えますし、接眼レンズの径が大きめでブラックアウトしづらいため、各種の調整もたいへんしやすいです。

比較機として日の出光学のD1(8×42)と較べると、調整のしやすさはSV202が勝りました。
日の出のD1はどちらかというと硬派な設定で調整が簡単にずれないようにやや固めになっています。(まあこの辺は好みの問題ですが・・・)
SV202で実際に風景を見ると、中心像はかなり鋭く小枝や電線を見ても色収差を感じることはありません。
視野周辺に向けてゆっくりピントが甘くなって行く感じがして、視野端では少し色ずれを感じます。
ただし視野端まで無理見ることも少ないのでほとんど気にならないレベルです。
ところでSV202の実視界ですが、カタログスペックでは「409FT/1000YDS」と表記されています。
何とも訳の分からない数値なのですがメートル法に直すと「115m/1000m」となり実視界6.6°ということになります。
見かけ視界に換算すると49°(旧JISでは52.6°になります。)
でも日の出D1(倍率同じ8倍で実視界7.5、見かけ視界旧JIS60°)と見較べるとほぼ同じ範囲が見えています。
見かけ視界がどう見てもほぼ同じで、随分控えめなカタログデーターが掲載されていて残念な気がしました。
(上記削除部分は「さらまに」様よりのご指摘で計算間違いであることが発覚しました。正しくは下記です。)
なんとも訳の分からない数値なのですがメートル法に直すと「136m/1000m」となり実視界は7.8°となります。
実際に日の出D1(倍率同じ8倍で実視界7.5、見かけ視界旧JIS60°)と見較べるとほぼ同じ範囲が見えています。
ところで日の出D1との見え方の比較ですが、見える範囲がほぼ同じだけにかなりシビアな差が出てしまいました。
D1は昼間使うとまるで8Kのデモ映像を見せられているように視野周辺までビシッとカリカリした感じの風景を見せてくれます。
陽の当たる雲を見るとくしゃみが出そうに眩しい感じがします。
いっぽうSV202は口径も小さいので明るさはそこまでではないですし、わずかに黄色味がかって見えます(本当にわずかで、D1が青白く見えすぎなのかと思えるほどです)。
D1と見比べるまではそれほど気にならなかったのですが、較べると中心像以外は全体にモヤッとした感じしました。
価格も数倍違うのでそこまで求めてしまうのは少し可愛そうかも知れません。
ただし夜に星を見るとそこまでの像の乱れは気にならず、かなり視野周辺まできれいな星像が見られます。
口径の違いで微光星の迫力はどうにもなりませんが、口径なりに充分な見え味です。
価格帯の近いところで、手元にあったビクセンのアトレックライト6×30との比較をして見ました。

同倍率での比較がベターですが30mmクラスの8倍機がなかったので・・・
ただしアトレックライトの実視界は8°と見かけ視界がやや狭く(旧JIS48°)、SV202と実視界が0.5°しか違いません。
こちらも倍率が低く、無理に視界を広げていないので色収差はほとんど感じませんし、視野端の像の乱れもそれほどひどくないです。
何より低倍率で手ぶれが少ないのは大きなメリットです。
実際に(手ぶれを充分抑えた状態で)星空で見比べると、SV202が圧倒する感じでした。
倍率が高いが広視界で実視界が0.5度しか変わらないため迫力があり、瞳径が小さい分バックグラウンドが暗く締まり微光星が浮かびあがってきます。
手ぶれを気にせず気楽に使えるアトレックライトか、じっくり落ち着いて楽しむSV202か、価格帯が近いだけに性格の違いに悩むところです。
SV202は気軽なEDレンズ機として手元に1台あっても良いかも知れません。
お邪魔します。
SV202 8×32の実視界の仕様について、409FT/1000YDは115m/1000mで実視界6.6゜とのことですが、計算間違いではないでしょうか?
Aliexpressの方の仕様表記では136/1000mfield of view 7.8゜となっており、
計算ツールでも同じ値になるっぽいです。
↓愛用させていただいている計算ツール
https://zxtr.blog.ss-blog.jp/2018-11-24
さらまに さま
ご指摘ありがとうございます。
あ~、確かに計算間違いでした。
ヤード→メートルの計算、かけ算と割り算を間違えてました。
ご指摘に感謝です。
D1所有しておおむね満足しています。
話題のSV202が安いのでポチろうか悩んでましたが
レビュー拝見して発作が収まりました。ありがとうございます。
D1は視野の大半シャープですね。T1はもっとバキバキで収差補正に余裕があり焦点深度がとても深いのが印象的でした。
D1はボディが短いので焦点距離が短くF値が明るいので設計が厳しいと技術担当さんが申されてました。電線の黒さを見ると色収差補正が怪しく感じます。
あと2~3cm全長が長ければ更に完璧な収差補正/結像ができたであろうに残念です。
D1の透過率は本当にすごいですね。90%を軽く超えてると思います。
青の透過率も高くて冷調な印象を感じるくらいナチュラル。
そして耐逆光性能が素晴らしい。
賞月ファンでしたがプリンス、UWAに色彩とコントラストで勝利してしまい
常用機になっております。
斬月さま
この記事がお役に立てて何よりです。
SV202 8×32はコスパを考えるとかなりいい線を行っていると思います。
一般に使用するのでしたら充分な出来だと思います。
ただしマニア的観点で性能重視のHINODE D1と較べてしまうと少し差が気になるといったところかと思います。
工業製品の常で価格と性能のトレードオフな部分をどうまとめて製品化するかはメーカーのポリシーやラインナップの展開によっても変わるので最終的製品選びは本当に難しいですね。