今日は曇りのち雨・・・、梅雨明けが待ち遠しいです。
さて、お気楽EAAにはコリメートがお奨めとしつこいのですが、先日紹介した上のようなセットで実際に同じCMOSカメラで直接焦点とコリメート撮影でどのくらい写り方が異なるか比較した例を紹介しておきます。
まずはETX-90の鏡筒にQHY5L-Ⅱ(1/2.8″センサー)を取付け、屋内で「直接焦点」撮影したのがこちら、
次に冒頭の写真のセット、ETX-90に8-24mmズーム式接眼レンズを取付け、さらにQHY5L-Ⅱに6mmのCマウントレンズを取り付けて覗かせたのがこちら、
ズーム式接眼レンズはあまり広角でない(特に24mm側)ので視野ケラレが両サイドに発生していますが、直接焦点よりもかなり広い範囲が写っているのが分かります。
写っているもののサイズで比較すると約0.26倍に縮小されています。(計算上は0.25倍のはずですが、許せる範囲の誤差かと・・)
露光時間(Exposure)を見ると
直接焦点 :1666ms
コリメート: 180ms
と1/10近い時間でやや露光オーバーです。
焦点距離が1/4になれば露光時間は理論上1/16なるのですが、光学系が複雑になる分そこまでは行かないですが、それでもかなり露光時間が短時間で済むのがEAAには有利です。
何よりコリメート方式では接眼レンズで見たままの倍率(上のセットでは52倍)を写せるので導入などもそれほど苦労をしないで済みます。(この写野で月がスッポリ入ります。)
直接焦点では200倍越えの視野となり導入するだけでも一苦労ですし、倍率が大きい分ピントがもの凄くシビアになるとか、ブレが凄く大きくて安定しないなど撮影にはかなり苦労しそうです。
お気楽EAAですから時には高倍率も楽しみたいということでお奨めしているのがズーム式接眼レンズです。
倍率を上げればその分暗くはなりますが、一気に3倍の倍率(上記の例では156倍)になります。(それでも直接焦点の0.75倍くらい、露光時間は直接焦点の0.6掛けくらいです)
月面クレーターの「ド」アップや、土星の輪や木星の縞が何とか確認できるレベルに写ると思います。(赤道儀や自動追尾式架台でないと追尾はたいへんかと思いますが・・・)
コリメート方式は直接焦点に較べ像が甘いとか、周辺像のボケが激しいとかデメリットもありますが「お気楽」という括りでは許せる範囲ではないかと思っています。
前にも書きましたがコリメート方式であれば口径比F10以上の屈折やシュミカセ・マクカセでも充分お気楽EAAが楽しめるのも大きなメリットではないかと思います。